第166話 過保護かな? 的なお話
「いらっしゃいませ、アレクシア様、エルナ様。今お茶の用意をいたしますね。」
あれは誰だろう?
なんかレイダさんがメイドさんみたいなことを言ってる。
いや、そういうことをしてくれる人が欲しくて雇ったんだけど、でもいつもと違うから違和感がある。
「あ、レイダさん。火要るよね。今準備するから。」
「申し訳ありません、ご主人様。それとありがとうございます。」
やっぱり違和感が。
火種を用意するとレイダさんは水瓶からリリン製の水を出して熱していく。
後は任せよう。
「へー。そんなことがあったんだー。」
「なんの話をしてるんだ?」
「昇格試験の時のことを聞いてたの。それにしてもフレアガングニールって。それに劣化炎槍って……ぷっ!」
「笑うな。あれはなんか頭の中に技の名前が浮かんだんだよ。」
「へぇ〜。」
「そんなことよりもアレクシアさん。はいこれ。」
「なにこれ?」
「アイアンゴーレムの買取金だよ。不純物が混ざってるとかで少し値段が下がっちゃったとかで、合計二十万だって。だから半分の十万。」
「なんで半分? 2/5で八万じゃないの?」
「パーティで半分だから。それにアイアンゴーレムを一パーティに一体って考えたから。」
「でも、いいの?」
「いいよ。な?」
「うん。」
「ん。」
「それじゃあ、いただくわね。」
「あ、ありが、とう。」
「お茶の準備が出来ました。」
「頂きますね、レイダさん。」
それからしばらくの間、美少女だらけのティータイムを満喫した。
◇
「それで、二人はこの後どうするの?」
「そうねー、魔法の練習でもしようと思ってたけど、一緒にやる?」
「いいの? 秘密にしといたりしないの?」
「別にいいわよ。それにハードジャイアント用だからどのみち見られちゃうだろうし。」
「そっか。じゃあ、行こうかな。」
「そう。」
「それで、みんなはどうする?」
「僕とリリンはレントと一緒かな。」
「ん。」
「私は依頼。目指せ最速!」
「私も依頼かな。優姫ちゃん一人じゃ心配だし。ルリエちゃんも一緒に行こ?」
「はい。」
「私は家の仕事がありますから。」
「それじゃ、レントとセフィアとリリンが一緒に行くのね。」
「そうなるな。」
「でも、それは午後からにしよう。お昼は私たちが奢るからその後にね。」
「そんな、悪いよ。」
「いつもご馳走になりっぱなしなんだからこれくらいさせてよ。」
「分かった。じゃあ、ゴチになります。」
「任せて。」
そこからもしばしの歓談タイムとなった。
アレクシアさんとエルナさんの出会いの話は初めて聞いたけど、まさか、ここで黄昏さんが出てくるなんて。
しかも、陸の亜竜の代表格らしいレックスを倒したそうで本当にすごいな。
それを近くで見たんじゃあ、ミーハーな感じになっても仕方ないよね。
その後に俺とセフィア、俺とリリンの出会いも話したけどクルトの株が上がって落ちた。
颯爽と助けに入ってボロ雑巾になっちゃってたんだからしょうがないよね。
俺の株は上がったけど。
いい時間になったのでアレクシアさんオススメの店でご馳走になる。
ここの名物のシチューがギガ美味でした。
「それじゃあ、依頼頑張れよ。アカネは二人のことよろしく頼むな。」
「任せて。危険なところには行かないようにするから。」
「蒼井も無茶しないように。」
「分かってる。」
「ルリエも怪我に気をつけて。それと盗賊が出てくるかもしれないからあまり奥まで行かないように。後、視界が悪いから足元にも気をつけて……」
「あの、分かってますからそんなに心配しないで。」
「過保護すぎ。少しは信頼しないとだめじゃない。」
「でもアレクシアさん。心配するなって方が無理だよ。」
「はいはい。それよりも早く訓練場に行くわよ。」
そしてギルドで三人と別れて俺はアレクシアさんに引き摺られて訓練場に向かうのだった。
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