第162話 楽勝でした。的なお話

ルリエとレイダさんが最後の一匹を倒したところでお昼にしようと提案する。

時間的にはちょっと早いかもだけど、安全な場所を探したり、薪を拾ったりとかすればちょうどいい時間になるだろう。

そう言うと特に批判もなく、移動することになった。


「ここら辺でいいんじゃない。」


蒼井が言った通りそこそこ拓けていて見晴らしもいいところだったので、魔物が出てきてもすぐに気づけるだろう。


「そんじゃ、薪拾いに行くけど、その前に材料は何がいる?」

「そうだな〜、じゃあラビット肉と……」


セフィアの言った通りのものを出してから俺はいつも通り薪拾いに行く。

なんか昔ばなしのおじいさんみたいだな。

ところで芝刈りって何しにいくんだろうね。


薪を集めて戻ると既に火を使うもの以外は準備できていた。

そんじゃ仕上げをしてもらうとしよう。

でも、蒼井は何もしないんだな。



セフィア達のご飯を食べて再び探索をする前に連携について練習してもらう。

と言ってもラットは大きなネズミだがそれでも盾で受け止めてもらうほどの大きさではないのでここは蒼井にまず牽制してもらいルリエがトドメを刺してもらう。

レイダさんには二人のフォローを頼む。

その際に槍を渡すと心なしか嬉しそうにしていた。

尻尾も揺れてたし。

そんなに槍がいいですか。


方針が決まったので探索を再開する。

するとすぐにラットが見つかった。

今回は二匹で出てきた。


先ほど話した通りにまず蒼井が牽制の一発を撃つと、怯みその隙をつくようにルリエが攻撃しにいく。

こんことを思うような状況ではない事は分かっているんだが……かわいいなぁ。

つい頬が緩んでしまう。


ルリエを攻撃しようともう一匹が動こうとするがそこをすかさず蒼井が牽制して、動きを止める。

その間にルリエが一匹を倒す。

そして残りの一匹も同じようにして倒そうとしてるところに闖入者がやってくる。

今日はイノシシ鍋かな?


ラットを追いかけてきたようでボロボロのラット三匹がボアに追われながらやってきた。

残念なことに狙ってた方のラットは逃げてしまったが。


とはいえこんなのがいたんじゃ二人も安心して依頼をすることもできないだろうし、さっさと倒そう。


ラットを轢きながら俺の方に突っ込んでくるが軽く避ける。

その際についでに一撃入れて牙を斬りとばす。

奴が振り返る為に足を止めた所でセフィアのロックバインドでトライデントボアの動きを止める。

最初に戦った時はあっさりと拘束を破られていが今回はがっちりと捕まえて離さない。

そこをすかさずリリンのアクアランスが串刺しにして倒した。


俺がやっても良かったんだがリリンがやってくれた。

初めて戦った時はなんとか倒すことができた。

二回目の時は余裕があった。

そして今回はあっさりと倒すことができた。

俺自身そこそこ強くなったことを実感出来たし、この世界にもだいぶ馴染んできたな。


さて、それじゃ依頼に戻るとしようか。

ボアが倒したラットはありがたく頂戴して、残りのラットを探そう。

そう思っていたのだが、どうも蒼井の様子がおかしい。

どうしたんだろう?

そう思って声をかける。


「ぼーっとしてどうしたんだ? どこか怪我でもしたのか?」

「え、あ、ううん。そうじゃなくてあんな大きくて速いイノシシを簡単に倒してビックリしただけ。」

「そうか。それじゃあ、さっさと次のラットを探しに行こう。」

「うん。」


そうして残りの依頼の数も確保して、薬草も採取した。

その際に蒼井の奴が持ってきたのは雑草や毒草なんかを持ってきて少し凹んでた。


さて、明日は返事しないとだけどどうしようかな。

ボアも簡単に倒せたし大丈夫かもしれないけど、今夜あたりセフィアとリリンに聞かないとな。


そんなことを考えながらギルドに向かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る