第163話 奴らが帰ってくる。的なお話
「こちらが依頼の報酬になります。」
「ありがとうございます。」
ギルドに行って依頼達成の報告をする。
依頼の報酬はファングの300、ラットの250、薬草の250で800になった。
まあ、ボアの買取額は文字どおり桁違いだけど。
それでも、蒼井にとってはこの世界での初収入となる。
俺はアリシアさんから五万リム貰ってたからあまり喜べなかったけど、蒼井は自分の手でお金を稼いだという事に喜んでいる。
それじゃあ、このお金はルリエと蒼井に渡すか。
こういうのは実際に持つとより実感できるからね。
これを励みに頑張ってほしい。
ちなみにアイアンゴーレムは二体で二十万でした。
不純物が混じってしまったとかで少し下がっそうです。
そしてそろそろ家に帰ろうかと思ってギルドを出ようとすると酔っ払いが絡んできた。
まあ、時間的には酔っ払いとエンカウントしてもおかしくないんだけど、早くない?
「よお、兄ちゃん。随分とかわいい子ばかり連れてんじゃねぇか。こんだけいんだしよ、俺たちにわけてくんねぇか?」
「そうそう。俺たちこう見えても将来有望でよ〜、今の内に仲良くしたほうが得だぞ〜。」
「おおよ、こう見えてもCランク試験を控えたDランクでさ、いずれはAになるからな〜。」
何がそうそうなのか全くわからない。
けど、こんな酔っ払いじゃ話の脈絡がデタラメなのを気にするのも馬鹿らしいな。
「あいにく俺は既にC+でね。あんたよりも先にAになるから他を当たってくんない?」
「あ〜、だから〜?」
駄目だ。
やっぱり酔っ払いには何も通じない。
ぶっ飛ばすのは楽にできるけど、ここでするのもどうかと思う。
はあ〜、セフィアとリリンに相談しようと思ってたのに面倒くさいな。
「黄昏の獅子が帰ってきた!」
「確かAランクの試験でワイバーンを討伐に行ってたんだよな?」
「ああ。しかもあの顔。きっと倒せたんだぜ。」
何やら急に騒がしくなったな。
そして黄昏の獅子って聞こえる。
「おお〜、レントじゃねぇか。それに嬢ちゃん達も。ん? 何だこいつら?」
「あ〜、えっとですね……」
「どうやら俺らはお邪魔みたいなんでこの辺で。へへっ。」
「お邪魔しました〜。」
「何なんだ?」
「助かりました。酔っ払いに絡まれてて、流石に騒ぎを起こすわけにはいかなくて困ってたんですよ。」
「そうなのか。そういえばそこの二人は初めて見るな。」
「結果発表以来会ってませんでしたからね。紹介しますね。こいつは俺の幼馴染で、まあ、ここ数年疎遠になってたんですけど、そんでこっちの方に来て今家に居候している優姫っていいます。」
「! えっと優姫です。はじめまして。」
「そんで、こっちの蜥蜴人族の人がモルト商会で勧められて雇ったルリエの護衛と家事手伝いをしてくれてるレイダさんです。」
「レイダといいます。」
「そうか。俺は黄昏の獅子というパーティで一応リーダーをしているアベルだ。」
「それで、なんかAランクの試験を受けてたってさっき誰かが言ってたんだけど、そうなんですか?」
「まあな。そんで無事に倒せたし昇格間違いなしだろう。」
「そうなんですか! それじゃあ、お祝いしたほうがいいですかね?」
「それはちゃんと昇格したらな。それよりも今日は疲れたから早く帰って休みたいからな。」
「あ、それもそうですよね。結果発表っていつ頃ですか?」
「まあ、明日か明後日だろうな。」
「じゃあ、明後日にお祝いパーティーするんですか?」
「そんなところだろうな。」
「それって俺らも言っていいですか? ちょっと相談したいことがあるので。」
「いいぞ。そんじゃ明後日な。」
「はい。それじゃあ。」
そう言って六人と別れる。
相談したいことってのはハードジャイアントの事だ。
俺としては受けてもいいかなと思っていて、二人が賛成ならそのまま受けることになる。
その際に何か注意したほうがいいこととか聞いときたい。
もちろん二人のどちらかが反対なら受けないけど、その場合でも受けた場合どうなるかなんかを聞けるはずだ。
そんなことを考えながら家に帰る。
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