第159話 加護がいっぱい的なお話
「さて。それではそろそろ話をしましょうか。それでレントさん。彼女にも聞かせてよろしいでしょうか?」
アリシアさんはそう言ってレイダさんに手を向けた。
確かにレイダさんだけは俺と蒼井が異世界人である事、そしてアカネが異世界に転生したという事を知らない。
この事は周りの人に知られないようにしてきたから、彼女を解放した時の事も考えないといけない。
「レイダさん。これからの話は俺達にとって隠すべき事が多分に含まれているんだ。だから、秘密にしておく自信がなければ、席を立ってて欲しいんだ。それと自信がないのに聞くというなら、君を奴隷から解放する事が出来なくなる。その辺もよく考えて欲しいんだ。」
「分かりました。話してください。」
「早っ! えっ!? 本当にいいの?」
「はい。口は堅い方だと思いますし、それにご主人様の所なら一生でもいいかなと思っています。」
「そこまで?」
「はい。そもそも普通奴隷に休みなんて与えませんし、自分の部屋も貰えるなんて非常識です。そういう意味でここはすごく居心地がいいんですよ。それにいざとなればご主人様のご寵愛を頂けばいいかなと。」
「うぇるかむ。」
「まあ、最近レントってば更に激しくなってるからね。もう一人増えても大丈夫かな。」
「そうですね。お陰でよく寝れますし。」
うっ!
それはまあ、なんというか、精力旺盛スキルの所為だと思う。
三人に無茶させないためにももう一人増やすべきなのか?
いや、でもそれは人として駄目な気がする。
「毎日が楽しそうで何よりです。それでは話をさせていただきますね。蒼井さんここがあなたの居た世界とは違うという事はもうわかっていると思います。」
「はい。魔法もあるしエルフとか獣人さんとかもいますし。」
「それでここは私が管理している世界の一つなんですが、その中でも一番平和な世界です。」
「管理している?」
「あ、レイダさん。アリシアさんとレイカーさんは実は神様なんだよ。」
「か、かかか、神って、それ本当ですか!?」
「本当だよ。でも、今はアリシアさんの話の途中だから後でね。」
「………そして、あなたに渡した加護ですが、これは以前蓮斗さん達に渡したものと同じ物でレベルアップ時に全能力の上昇量を増やし、属性所持上限解除、スキル取得率及びスキル経験値取得量の上昇(3%)というものです。ちなみに蓮斗さん達は加護が進化して恩恵になりましたけどね。」
「あ、アリシアさん。それなんですけど、進化して何か変わったんですか? 正直に言って何が違うのか分からなくて。」
「そういえば伝えてませんでしたね。あれは元々のに加えて取得経験値の増加と状態異常耐性ですね。」
「更にすごい事に……」
「まあ、そうですね。それはそれとして丁度いいので他の方にも加護を授けますね。」
「いや、前も言ったかもですけど、そんなにホイホイ授けていいんですか?」
「大丈夫ですよ。だって私神ですから。」
職権乱用な気がするがいいんなら別に良いんだけどね。
というかこの家加護持ち多いな。
「それではいきますよ。我、女神アリシアの名の下にこの者らにささやかな加護を。」
そう言ってルリエ、アカネ、レイダさんを立たせて加護を授けてる。
いや、レイダさんも?
加護持ちしかいなくなったな。
というか、ますます解放しづらくなったな。
まあ、一生でもいいって言ってたから多分大丈夫なはずだ。
「終わりましたよ。例によって自己鑑定と超隠蔽も付けときました。後、異世界言語適応も。」
なんで異世界言語適応も付けたんだろう。
あ、ラノベの続き借りたいな。
「あの、アリシア様。そろそろ帰りませんと。この後は戦神様が謁見に参りますので。」
「そうでしたね。すみません。蓮斗さん。この後予定があるので私達はここいらでお暇させていただきます。」
「そうですか。それじゃあ、また来てくださいね。後、ご飯、美味しかったです。」
「お粗末様です。また来ますね。」
「お邪魔しました。」
そう言ってアリシアさんとレイカーさんは帰って行った。
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