第120話 ひざまくら。的なお話

「ごちそうさまでした。」

「お粗末様です。」

「ん。」


嫁さんの手料理を食した俺は再び魔法の練習に戻る。

午後からは個別練習だ。


俺が使えるのは火魔法と木魔法。

火魔法はバーナーにファイヤーボールにファイヤーボムにドルヒにランス。

木魔法は生長と草結び。

ストームはセフィアとの合成魔法だから外す。

というか前のピアーズの合体魔法と今回の合成魔法の違いってなんだろう?

スキル鑑定で調べれないかな?


〈合体魔法〉

複数の人間が魔法を組み合わせることで効果を上げる。


〈合成魔法〉

複数の属性を合わせる事で使用した魔法の特性を持つ魔法を生み出す。


つまりはどういう事?

えーと、積み木みたいに組み合わせるのが合体魔法で魔法と魔法を合わせるのが合成魔法って事なのかな?

確かにストームはつむじ風と炎の要素があるし、そういう事なのか?

まあ、別にどっちでもいいか。


それよりも練習の方が大事か。

まずは基本のファイヤーボールだ。


手の先に魔力を集める。


手から火の玉が出る。


これのサイズを変える。


小さく、小さく、できるだけ圧縮するんだ。

重唱は使わない。

そうして四苦八苦しながらもなんとか……バスケットボールサイズになった。

まだ大きいな。

でもこれが今の限界か。

本当はもっと小さくして銃弾サイズにしたかったんだけどな。


次はドルヒだ。

こいつは無詠唱でたくさん出す練習だ。

詠唱ありなら出せても近接で戦う俺には使えないからな。

後ろに下がって使う事もあるから完全な無駄というわけではないが。


イメージしろ。


火の短剣を。


それも一本だけではなく複数、十本くらいだ。


しかしまだあまり使ってないせいか上手くイメージ出来ない。


結局一本だけのままだった。


やっぱり詠唱を工夫するところからなのかな?


「十の火剣よ、我が敵を撃ちぬけ。」


そう試しに詠唱してみると大剣サイズの火の剣が出現し木に向かって飛んでいく。


うっ!

なんか頭がくらくらする。

ステータスを見てみると一気に100もMPが減っていた。

短剣のつもりで炎ではなく火と言ったんだけど、魔力の制御が甘いせいか大剣サイズになってしまった。

そのせいで魔力の消費がでかくなってしまった。

それにこれのせいで半分を超えてしまった。

帰りに魔物が現れないとも限らないし、もう練習は無理かな。


というわけで残りの時間はリリンと一緒に読書大会だ。

と思っていたんだが心地いい風と適度な疲労で眠くなってきた。



どうやら寝ていたようで目を覚ますと俺を覗き込むリリンの顔が見える。

それに頭の下の柔らかいものってひょっとしてリリンの脚か?

なんかリリンが頭を撫でているしそれが心地いいのでもうしばらくリリンのひざまくらを堪能するか。


「あーー!リリンってばレントをひざまくらしてる。ずるい!」

「ずるくない。早い者勝ち。」

「レント!帰ったら僕の番だからね。」

「お、おう。」


俺としては嬉しいんだけど、女サイドでもいいものなのか、これって。

まあ、いいや。

今はリリンのすべすべの脚を堪能するのがジャスティス。


結局、リリンのひざまくらはセフィアの練習が終わるまで続いた。

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