第116話 マッサージしてくれる。的なお話
「えーっと。」
「ご主人様はどうやってそこまで強くなったんですか!?」
うわぁ〜。
やっぱりまだ興奮してたよ。
加護とかステータスは隠した方がいいだろうし、となるとやっぱりダンジョンの話をした方がいいかな。
以前無茶しすぎだって言われたし。
「あー、なんか初心者ダンジョンで無茶してたみたいなんだわ。前にダンジョンのドロップアイテムを買い取ってもらった時にそう言われたことがあって、だからたぶんそれが原因じゃないかな。後は昇格試験の時にオークキングを運よく倒せたからかな。」
「オークキングですって!?Bランクの魔物ですよ!?一体どうやって……。ご主人様!!」
「うおっ!びっくりしたぁ。」
「ぜひ私を鍛えてください!」
「何言ってんの!?……っていうか俺もまだ教わっている最中だからそれは流石に無理だよ。これからはレベル上げにも連れて行くんだからそれで勘弁して。」
「……分かりました。」
なんか渋々といった感じで引き下がっていった。
レイダさんってこんなキャラだったの?
確かになんか武人って感じの受け答えしていたけど、ここまでとは。
これから大変だぞ。
………ちゃんと仕事してくれるかな?
なんか心配になってきたぞ。
レイダさんの説得になんとか成功して漸く掃除に復帰できる……と思っていたけど、結構終わっていて俺はなんか外の雑草を毟る事になった。
雑草は昨日きちんと処理してくれたのだろうが、それでも精霊の影響で少し伸びてしまっている。
だから俺が毟る。
直接では無いが間接的には俺の責任って言える所も僅かにだがある気がするし、今こうしてある程度整理することで今後の木魔法の訓練にも使えるようにも出来るからな。
◇
「ふぅ〜。腰にくるなぁ〜。」
草むしりをしてずっと中腰だった為に腰が痛い。
「お疲れ様、レント。はいこれ、お茶。」
「ありがとう、セフィア。久しぶりにやったけどやっぱりキツイな。」
「そうなんだ。でももうちょっとだし頑張ってね。終わったら後でマッサージしてあげるから。」
「お風呂で!?」
「えっ!う〜ん。頑張ったらね。」
「よっし!頑張る。」
昔読んだクッ◯ングパパでそんなシーンがあったんだよ。
その所為で咄嗟に口から出てしまったが結果オーライだ。
そのおかげでセフィアと混浴だ。
そうと決まれば、さっさと終わらせるぞー!
それから三十分くらいかけて残りの雑草を全て毟った。
あ、魔法の練習用のを残しとくのを忘れてた。
ま、いっか。
さてと、次はお風呂だ。
家の中に戻ると、いつの間にかアカネが帰ってきていた。
ま、それはそれとして、早く風呂に入ろう。
リリンに水を出してもらい風呂桶に水を張る。
そして俺が火魔法で温めてお湯にする。……結構やり過ぎて熱湯になっちゃって水を混ぜないといけなくなったけど、うん。一応準備万端だ。
というわけでセフィアを誘って早速混浴だー!
前もしたことあるけど、やっぱりこういうのはロマンがあるよな。
「んしょっ! どう、レント? 気持ちいい?」
「ああ。ありがとうな。」
「レントから誘ったんでしょう。」
「そうだけど、やっぱりこういうのは言った方がいいからね。」
「レント。」
俺とセフィアは一緒に風呂に入り、俺の後ろにまわったセフィアがお湯で温めながらマッサージをしてくれる。
なんか、こういうのって良いよなぁ。
本当にセフィア達と結婚できて俺は幸せだな。
「それは僕もだよ。レント。」
「ひょっとして口に出てた?」
「うん。出てた。」
それから暫くの間、俺の腰をマッサージしてくれる時の水音だけが浴室に響くが、こんなまったりした空気感がとても心地良かった。
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