第101話 感謝されてた。的なお話
最後の夜営といってもやる事は基本的に変わらない。
俺が薪拾いに行き、その間に女子チームが料理を作る。
ちゃんと魔道具は置いているぞ。
そういえば盗まれたりしないのかな?今度聞いてみよう。
そして戻ると料理が後は火にかけるだけの状態で用意されていた。
一々薪を探しに行くのが面倒だしこれからは炭とか買おうかな?いや、でも最近結構散財してるし、どうしよう。
うん。もう少しお金が溜まってからにしよう。
そうこう考えている内に食べ頃になった。
やっぱり美少女の手料理というのはいいものだ。
更にそれが美味いもんだから尚のことだ。
ただ、どうやらアカネは手伝っていなかったようでその事を聞いてみると、料理……苦手なんだそうだ。
昔、両親に作ってあげた事があったそうだけど、それを食べたら治療院送りになって生死の境を彷徨ったそうだ。
……何を作ったんだ!?
あ、アベルさんが引いてて、リィナさんが仲間を見つけたみたいな顔をしている。
リィナさんはそんなレベルなの!?
そんな感じで楽しい(?)時間が過ぎていき夜営の時間になった。
今回は新たに護衛対象が一人増えてるけど、やる事を初日の時と変わらない。
先ずエルナさんがやって、次にアレクシアさん、俺、セフィアと続く。
だから、俺は暫く休ませてもらおう。
◇
寝ていた俺は身体を揺すられて起こされる。
もう、時間か。
まだ寝ていたいけど仕方ないか。
というわけでアレクシアさんと交代しようと思ったのだが、どういうわけかアレクシアさんがなかなか寝ようとしない。
何故だろう?と思っていると俺の隣に腰を下ろしてきた。
え?なに?
「えっと、遅れちゃったけど、助けてくれてありがとね。」
「え?なんのこと?というかそれっていつのこと?」
「あ〜、えっと、ほら、昼にエルナの事を助けてくれたでしょう。助けてあの子はその後のことで礼を言えなかったから。あと、この前のナンパ男から庇ってくれたから、その事で、ね。」
「別に気にしなくていいんだけどね。仲間なんだし。」
「仲間って言っても臨時じゃない。なのに、なんであんな無茶な事を。」
「いや、まあ、嫁もいたし、それにあんな馬鹿に可愛い子が絡まれるのは見てられなかっただけだよ。」
「か、可愛いって…って嫁!?え?あの子と結婚してるの!?」
「いや、まあ、まだ婚約なんだけどね。でも、Dランクに上がって一人前になったら結婚したいなぁって思ってて。」
「そ、そう、なんだ。(なによ。さっきは可愛いとか言って期待させときながら、既に婚約者がいるとか卑怯じゃない。)」
「……ん?どうかした?」
「なんでもない。私はもう寝るからね。おやすみ!」
「お、おう。おやすみ。」
なんか最後は突然顔を赤くして寝りに行ってしまった。
…?まあ、いいや。
それよりもちゃんと警戒しないとな。
それからセフィアと交代するまでねずみ1匹すら出てこなかった。
アリシアさんの魔道具はやっぱり凄い。
そうしてセフィアに後を任せて俺は再び眠りにつく。
おやすみなさい。
◇
朝になってセフィアに起こされる。
今朝はアカネさん達も起きており、朝食の準備をそれぞれしていた。
俺はまた薪拾いしながら魔道具を回収する。
前回みたいな卵やらなんやらもなく平穏無事に薪拾いを終える。
その後はセフィアお手製寝起きに優しい朝ごはんを食べてから出発する。
それからも順調に進んでいき、途中の拓けた場所で昼食を食べ、後二時間くらいといったところで未知がやって来た。
オークよりもふた回りは大きく、オークナイトよりもひと回りは大きい。
そして革鎧を着込み、巨大な鉈のような武器を持つ怪物オークが。
なんだこれ!?
なんで、こんなのがこんな所に!?
そしてそいつの後ろから更に数匹のオークが姿を現した。
これはマジでヤバい!!
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