第71話 遂にボス登場。的なお話

さくさくと小部屋を進んでいって今は八階層だ。

これまで進んできて分かった事は小部屋は大きく分けて三種類。

魔物がいる部屋に床に罠が仕掛けてある部屋、それに宝箱が鎮座している部屋だ。

宝箱の部屋は二つしか無かった。

そして宝箱の中身は謎の鉱石とメイド服だった。

なんでメイド服?

セフィア達が着てる所は見てみたいけど、どうせなら巫女服か軍服、若しくはチャイナドレスが良かった。

セフィアはきっと巫女服が似合う。

リリンには軍服を着てもらいたいし、チャイナドレス姿も見てみたい。って今はそれどころじゃないな。

時計を見ると三時半過ぎている。

引き返した場合夜中を過ぎるだろうし、最後まで行くしかないな。


小部屋を通り、通路を進む。

そうして次の階層に続く階段がある広間に着いた。

後二階層だが、ゆとりは大事だ。

というわけでティータイムをしています。まあ、椅子やテーブルは無いし、お茶菓子じゃなくてカットした果物だけど。


「えっと、ここ、ダンジョンだよね。こんなにゆっくりしていていいのかなぁ〜。」

「セフィアの言いたい事も分かるけど、後二階層だからね。ゆっくりして精神的なやすらぎを得ることも大事じゃないかな?」

「それはそうかもしれないけど。」

「セフィア落ち着いて。果物、美味しいよ。」


そういってリリンはセフィアの口に果物を放り込む。


「えっ、あ、本当だ。」


いいもの見れた。


「レント?顔緩んでるよ。」

「いや、仲良くしてる二人を見てたらつい、な。」

「「?」」

「気にしないでくれ。」

「あ、レント。口開けて。」

「こうか?」

「はい、あ〜ん。」

「あ〜ん。」


セフィアが俺に果物を食べさせてくれる。

うん。幸せな味だ。


「レント。こっちも。あ〜ん。」

「あ〜ん。」


「お返しに。セフィア、あ〜んして。」

「あ〜ん。」

「リリンも。はい、あ〜ん。」

「あ〜ん。」


うん。幸せだ。

異世界に来て良かった。



ティータイムを終えて九階層を進む。

オーク、オーク、オーク、オーク、ゴブリン集団、オーク、ゴブリン集団、オーク、オーク、オーク……オーク、多いな…。


こんなにオークが多いとなると、ボスはオークナイトとかそういう感じの上位種かな?


そしてついに十階層への階段前に来た。

武器や防具の手入れにHP、MPの回復にポーションの分配をする。

ある程度回復したので十階層に殴りこむ。


十階層は一本道の先に大きな扉がある。

雰囲気あるな。

しかも壁の上の方に火が灯ってる。

うん。王道だな。


そして扉を開けようと思い扉に近づくと、扉が勝手に開いていく。

おお、ここも王道に沿っている。


さてと、ダンジョンボスとご対面だ。

ボスはCランクって話だし、オークナイトか、オークソルジャーのようなのだろうと思い部屋の中を覗くと…何も居なかった。


あれ?


おかしいと思い、部屋の中へと入っていくと後ろで扉が勝手に閉じた。

これも王道だ。

となればそろそろ出てくるはず。

そして、そいつは天井から降ってきた。


そう。巨大コボルトが。


なんでだよ!!

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