第69話 巨岩は健在だったが…的なお話
四階層に降り立って数分。
最初の罠に引っかかった。
というか、引っかかりすぎだろ、俺。
罠の内容は前と同じように落とし穴。そしてその中には
「うぇええぇぇ。スライムが蠢いてる。」
そう、スライム地獄だ。
うぞうぞと足下で蠢いてる感触が気色悪い。
しかし倒すにしても火魔法は使ったら俺が危ないし、セフィアの釘バットもリリンのバールのようなものも狭くて降り下ろせないし、地味にダメージくらい続けてる。
穴から出ようにも絡みついてきて逃げれない。
どうしよう。
「セフィア、レントを。私は周辺警戒するから。」
「分かった。」
セフィア達のそんな声が聞こえた後セフィアが手を伸ばしてきた。
ていうか上半身結構出てるけど大丈夫か?
そのまま手を掴むとあろうことか両手で掴んできた。
えっ?本当に大丈夫?それで上がるの?というかセフィアまで落ちるんじゃ…。
「よいっしょお!」
そう思ったけど落し穴の縁まで引き上げてもらい、なんとか落し穴から脱出することに成功する。
落し穴から出て分かったけど土魔法で足を固定していたから両手を使って引き上げれたようだ。
「ありがとう、セフィア。リリンも。お陰で助かったよ。」
「えへへ。どういたしまして。」
「…ん。」
セフィア達にお礼を述べた後、にっくきスライムに火魔法をぶちかます。
すると底に魔石とメダルが落ちてる。
マジでか。
また穴に入らないといけないなんて。
仕方なくセフィアに縄を土魔法で固定してもらって穴に上下逆さまで入って回収する。
そしてセフィアに俺を回収してもらう。
◇
スライム地獄から暫く。
結構進んだと思う。
四階層に来てからこれまでに最初の落し穴以外に、天井からスライムが降ってくる罠に、壁の穴から出てくるスライムに前方から這ってくるスライム。
スライム尽くしだ。
スライムに対する嫌悪感をぶつけるように火魔法を連発し、釘バットとバールのようなものが閃く。
そんな中妙な物を見つける。
スライム塗れのクルトだ。
見つけてしまったからには助けないわけにはいかない。
助けた後、事情を聞くと鍛え直すと扱かれた後、このダンジョンに放り込まれたそうだ。
知り合いだし、臨時パーティを組んでダンジョンを進む。
そしてそれからも順調に進み、五階層一直線の道に出る。
となれば例の巨岩トラップがあるだろうと思い警戒しつつ進み、魔物の軍勢に遭遇する。
今回はラット、ラビット、ワーム、ゴブリンの混成だ。
一直線な為、戦闘は避けられないのでそれぞれ武器を構える。
俺らはいつも通り片手剣に双剣に短刀。
クルトは……何故か鎖鎌だ。
「なんで鎖鎌?」
「いや、兄貴に今日はこれを使えって言われて渡されて。」
「そうなんだ…。えっと、頑張れ。」
そういうことらしい。
その後魔物を殲滅していると、何処からか、カチッ!ドン!ゴロゴロという音が聞こえてきた。
その音を聞いた俺とセフィア、リリンは即座に引き返し窪みに向かう。
「こっち来い、クルト!」
声をかけるがそれに気づいていないクルトは戦闘を続け、かなり遅れて岩に気付き、そのまま潰されてしまった。
岩が通り過ぎた後を見ると大量の魔石とドロップアイテムが落ちていた。
うん。ここじゃ死なないし気にしないようにしよう。
その後魔石とドロップアイテムを回収した後ダンジョンを進み階段前の広間にたどり着く。
ここで昼食を食べる。
きっちり休んだ後、初めての六階層に向かう。
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