第56話 稽古は一時終了的なお話
寝こけた日からは稽古の内容もある程度定り一日中みっちりと稽古をしてその翌日はしっかりと休む。
そんなローテーションで稽古を行い、一週間が過ぎた。
ステータスが極僅かだが上昇したり、セフィア達にも治癒力向上のスキルがついたりした。
そして7日目の今日もこれまで通り模擬戦をしていると
「急に動きが良くなったな。ちょっとステータスをスキルを確認してみろ。」
リィナさんにそう言われて、もしやと思い期待に胸を膨らませながらステータスを見てみるとそこには念願の片手剣の三文字があった。
「よっしゃああああ!!」
「その様子だとちゃんと片手剣スキルが増えていたようだな。」
「はい。魔物相手に杖術とかだと心許なかったので、やっとって感じですね。」
「(なんとか間に合ったということか。)」
「間に合った?」
「なんでもない。それよりも模擬戦の続きだ。」
「はい。」
その後も模擬戦をするが片手剣スキルがついたとはいえ、所詮は覚えたばかり。
一撃入れるどころかかすらせることも出来なかった。
◇
「今日はここまで。」
「「…………………。」」
「ありがと…ござ…ま…た。」
多少は慣れたとはいえ、やはりまだきつく声を出せない。
その点リリンは流石で俺やセフィアと違い礼を言えている。
途切れ途切れだけど。
そして俺達が落ち着いたのを見計らってリィナさんはこんなことを言う。
「明後日からの稽古なんだが、すまんが参加できなくなった。実はなギルド主催の訓練合宿の講師の代理を頼まれてな。なんでもやる予定だった奴が怪我をしたとかなんとか。まあ、そんなわけで暫くそっちの方にかかりっきりになるからな。」
「そういうことなら仕方ないですよ。」
「まあ、どのみち訓練所には使用制限がかかって稽古どころではないし、丁度いいからこの機会にダンジョンに挑んでみてはどうだ。」
「「「ダンジョン?」」」
「ああ、この街には世界に七つしかない初心者ダンジョンがあってな、このダンジョンは神々が創ったとされ、どういう訳か中で死ぬことは無いんだ。死ぬような怪我を負っても回復した状態で外に転移させられるんだ。もっとも、ダンジョンを踏破するか、自分の足でダンジョンを出なければ何も手に入らないのだがな。」
そんなゲームみたいな所があるんだ。
でもなんで、初心者ダンジョンなんだ?それに世界に七つしかないってどういうことだろう。
その辺のことを聞いてみた……セフィアが。
先越された。
「どうして初心者なんですか?あと、もっとダンジョンはあると思うんですけど。」
「それはな、先程言った仕組みを持つダンジョンが世界に七つしかないのだ。それに、この手のダンジョンで出てくる魔物も高くてもD、ボスでもCに行くかどうかでな、おまけに五回踏破すると同じダンジョンには入れなくなってしまうんだよ。これらのことから新米冒険者がダンジョンの経験を積む為のものとして初心者がつくんだ。」
「そういうことですか。後で皆と話し合ってみます。」
「うむ。では帰るとするか。」
「はい。」
◇
皆で夕食を食べて、部屋で身体を拭く。
そうして一息ついた所でダンジョンの話し合いをとはいかなかった。
流石に疲労が限界な為話し合いは明日にして、仲良く川の字で寝る。
おやすみなさい。
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