第53話 やっと知ることが出来た。的なお話
食堂に行くと既にリィナさんがいた。
キリッとしていて酔っぱらいでもなければ二日酔いのグロッキーでもないいつものリィナさんだ。
一緒に朝食を食べながら今日の予定を聞く。
「今日は……今日こそは勉強会をしようと思う。」
「分かりました。それで場所はどこにします?」
「そうだな…君達の部屋を使っていいか?」
「いいですけど、ちょっと片付けしたいんで三十分ほど待ってくれませんか?」
「ああ、こちらも準備するものがあるし構わないぞ。」
「ありがとうございます。」
◇
さて、リィナさんが来るまで三十分も無いしさっさと片付けないとな。
荷物なんかはストレージに仕舞えばいいんだけど、掃除もしとかないと。
「セフィア。悪いんだけど紙とペンを買って来てくれない?聞いた事をメモっときたいんだ。」
「うん、分かった。リリンはどうする?」
「お願い。」
「うん、了解。」
セフィアに買いに行って貰ってる間に掃除を終わらそう。
そう思ってルリエちゃんに掃除道具を借りようと声をかけると「お客様であるお兄さん達に掃除をさせるわけにはいかないですよ。」
と言って掃除をしてくれる。
とはいえ、申し訳ないので手伝うと、リリンが凄く活躍している。
ぶっちゃけルリエちゃんの1.5倍は働いている。
え、俺はどうだって。
……ルリエちゃんの0.4倍です。
◇
セフィアが紙とペンを買って来てくれたがリィナさんは来ない。
そしてどういうわけかルリエちゃんも居る。
そうして待つこと三十分。
リィナさんがやっと来た。
アベルさんと金髪青年もやって来た。
なして?
「アベルはアイテムボックス持ちでな、道具の説明などに便利だから連れて来た。」
「便利だからって…。まあ、そんな感じらしい。で、こいつは俺の弟でクルトって言うんだが、一応こいつも冒険者でな、丁度いいと思って連れてきた。」
遭遇すること四回目で、まさかの本人ではなく別の人から名前を聞くとは。
「お久し、ぶりです。初めて名前聞いたけど。」
「なんだ、お前ら知り合いか?」
「セフィア達がもっさ…じゃなくてモテないおっさん'sに絡まれてた時に助けに来たそうです。まあ、あっさりやられてたけど。」
「マジでか。こりゃあ、明日から鍛え直さないとな。」
「ちょっ、待ってくれよ、兄貴。」
「問答無用。」
「うわぁー。」
「えーっと、そろそろ始めませんか?」
「そうだな。」
◇
発狂しかけたクルト君が落ち着いてから授業が始まった。
何故かまだルリエちゃんがいるが。
そして授業の内容だが、とりあえずということでDランクまでの魔物についての説明や特徴、弱点に攻撃の仕方などを教えてくれたり、魔法道具の使い方なんかを教えてくれた。
途中に昼食を挟んだ後、本命のDランク以降に出てくる護衛依頼の心得や注意点、その時に知っていて役に立つ、食べられる野草や、薬草と毒草についてを教えてくれた。
この時にルリエちゃんが一生懸命聞いていた。
一言一句逃さないと言わんばかり。
確かにこの内容なら知っておいて損はない。
◇
「うわ、もうこんな時間か。そんじゃ俺らはそろそろ帰らせてもらうわ。」
「今日はありがとうございました。」
「おう。」
そう言ってアベルさんはクルトを連れて帰っていった。
授業のあとは四人で夕食を食べる。
そしてリィナさんと部屋で別れたあと、昨日、一昨日と出来なかった分を埋めるかのように18禁なことを多めにした後、川の字で寝た。
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