第23話 あの境地の向こう側的なお話
襲撃のアリシアさんの翌日。
俺は今、ギルドに来ている。
というかギルドの訓練所でへばってる。
何故へばってるかというとそれは昨日の夜の事だ。
ー昨夜ー
「明日の事なんだけどさ、ちょっと近接戦闘の訓練をしたいんだ。」
「えっと、それはいいんだけど…。」
「どうして?」
「いや、まあ、セフィア達と婚約した訳だしさ、二人を護れるようにもっと強くなりたいな、と思ってさ。それに今はまだランクが低いけど、ある程度までいったら世界を見てみたいなと思ってさ。」
「ま、護りたいだなんて、そんな……。(ぽっ)」
「それは観光?それとも冒険者として?」
「一応両方のつもりなんだけど…。」
そういいながらセフィアを見る。
なんか今朝から時々セフィアがお花畑に行くんだけど…戦闘中とか大丈夫なのか心配になってくる。
早く慣れてくれないと困るんだけど。主に俺の精神が。
そりゃ、嬉しいよ。
顔を赤らめて嬉しそうにされると男冥利に尽きるというかなんというか。
でも、いろいろと削れるんだよ。嬉しさや恥ずかしさ、照れとかその他でさ、精神力とか理性とかがごりごりと削れてくんだよ。
ヤバイ。嬉しそうなセフィア見てたらムラムラしてきた。
よし。致そう。
二人とイチャイチャした後。
「話逸れたけど、そんな訳で明日はとりあえずギルドの訓練所に行ってくる。」
「スー、スー。」
「ん。分かった。セフィアが起きたら伝えとく。」
「頼む。」
そんな訳で冒頭に戻る。
とりあえず剣術スキルが欲しいと思ってひたすら素振りをした。
それはもうひたすらに疲労の先にあるランナーズハイみたいな境地に達するんじゃってくらいには。
なのに剣術スキルは増えなかった。
素振りだけでへばるくらいしたのに。
そんなわけで今現在のステータスはこうなっている。
妙なのが増えてるが気にしたら負けな気がする。
ーステータスー
名前:風見蓮斗
種族:人族
LV:12
HP:3448/3675
MP:205/205
ATK:54
DEF:40
MAT:57
MDF:61
AGI:42
DEX:127
スキル
異世界言語適応
超隠蔽
ロードオブスキルマスターLV1
ストレージ
鍛治LV1
聞き上手LV3
歩法LV3
魔力操作LV1
火魔法LV1
精力LV1
スキルスロット
1:木魔法(微ユニーク) LV1
2:スキル鑑定LV1
3:未設定
SP1
称号
女神の加護 転移者
犯罪歴
無
ちなみにスキルガチャは控えている。
もしここで剣術スキルを手に入れたら多分へこむ。2日くらいへこむ。
それに良いのが出やすいよう基本的なのは出来る限り自力で覚えたいし。
そうして暫く休んだ後、再び訓練をしようと立ち上がる。
今までがイージーモードなだけでこれが普通なのだろう。
そして剣を持った時ふと思った。
そもそもただ剣を振るだけなんだからそれなりに辛い段階までやらないと駄目なんじゃないか?
そう考えた俺はひたすらに素振りを繰り返す。
軸がブレないよう真っ直ぐ振る事を意識し、ひたすら振る。
千回なんて生ぬるい。
もっとだ。もっと多く。
五千回を超えた辺りで周囲の音と感覚が無くなる。
一万回くらいで苦痛が無くなり不思議と笑いが漏れる。
そして一万二千回くらいでぶっ倒れた。
ぶっ倒れた俺は隅っこの方で素振りをしてただけなので訓練所にいた同業者さんには気づかれる事はなかった。
俺に気づいたのは備品チェックに来たギルドの職員さん(最初に来た時に受付してた美人さんだった。)でぶっ倒れるまで訓練するなんて馬鹿なんですか!としこたま怒られた。
結局、剣術スキルは増えなかった。
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