第56話

A国 取調室 B号室


パーティーの一人の男がぽつりぽつりと話している。


「ダンジョンまでは至って順調だった。外にはモンスターが居たが、モンスター退治は得意だし。それに中にはモンスターが一匹も居なかった」


「モンスターがいない所は不思議なダンジョンではあったが、それを調べて報告するのが俺たちの仕事だからな。気にしなかった、いや、何て言うかな、気にはしなかったが問題にはしてなかった」


「中は、特になにもなかった。中央に噴水みたいなものがあった程度で、初日はその近くでテントを張ってキャンプをしたんだ」


「それでもしっかりと確認するってことで、翌日は昼の間ずっとダンジョンを調べてた。でその日の夕方には終わったけれど、夜になると怖いし、食料も余裕があるってことで、もう一晩泊まって三日目の朝に帰ろうって話になった」


「で、雨が降りだしたんだ」

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