第18話

 宿屋の主人に言われた通り、A国の出張所の前に騎士団の基地に向かった冒険者4人。

 門番に事情を話すと基地の中の建物にある応接間に通された。


 応接間から外を見ると基地は大きいが、中にいる人は意外と少ない。

「国境防衛の最前線だろう?こんなのでいいのか?」

「共和国と公国とは比較的友好関係を保っていますから」

 ドーリーの疑問にマリーはそう答える。

「問題が起これば後方から兵隊を送り込むんんじゃないですか。町の方は大量の人間を受け入れれる感じじゃありませんでしたし」

 これはVの意見。ここに来る前に来た町は、廃れてはいないがそこまで大きくもない普通の街だった。

 国境沿いで放牧して家畜を育てるのがおもな産業。騎士団という金があっても何も生み出さない人間を大量に養える土地ではない。


 その団員達は応接間から見える窓の外で行ったり来たりしている。

 馬に鞍を付けて連れていく団員。騎士団の装備である鎧兜を運ぶ一団。

 基地の外から一団が入ってきたり、人が出て行ったり。

「いそ・・・そう」

「見たいですね。なにかA国との会談があるとは聞きましたけど」

「残りのパーティーメンバーをどう引き取るかじゃないか?」

 冒険者風情が一人いなくなった程度で捜索隊が組織される、とは4人とも思っていない。

 冒険者とはそういう商売。

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