マーサ・ベレット

 わたしは掃除のあと珍しく、いい気分になったので、中庭を散歩しにいきました。

 中庭の花壇には綺麗な花が咲き誇っていて、最近のわたしの好みなのです。虫さんたちとも朝一番の挨拶を交わして、いいスタートが切れそうです。

 鼻歌を歌いながら花壇の端っこに行くと、褐色系の肌の色をした子がいました。わたしは、その子がわたしと同じで、花と虫さんを観察する、「側から見たら頭のいい人」だと思ったので声をかけてしまいました。その子は愛想が悪く声も小さく、最初は「うん。」か、「いいえ。」しか言えない子だと思いました。なんで花を観察しているのか聴いたら、いきなり声高らかにわたしの名前を呼んだのです。

「あなたジェーンでしょ!」なんて。

 なんで知ってるのか聴いたら、昨日の騒動を見ていたみたいです。昨日の様子を笑いながら話していました。結構長かったです…

 わたしはその子の名前を知りたかったので聴いてみました。その子の名前はマーサ・ベレットと言うらしいです。なんで、花を観察していたかと言うと、薬学科(おもに、植物や虫から薬を作ったり研究する学科)らしく、それに使う素材やらなんやらを探していたみたいです。薬学科の話は頭がパンパンになってしまうので、あまり好きじゃないです。それに、ガーランド先生の専攻が薬学なので、つまらないイメージがあります。それをマーサに聴いたら、わたしじゃ無理だと返答がきました。わたしもそれは認めますが失礼なやつです。

 時間も起床の時間になったので一旦マーサとは別れることにしました。

 自分の部屋に戻る途中、ガーランド先生と鉢合わせになり「やぁ。」と言われました。わたしは説教を受けることを確信しました。しかしガーランド先生は、友達をつくることはいいことだと言ってきました。つまり、監視されていたのです!!ガーランド先生の目は欺けないです。

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