和やかな宵に花は咲く

 それは荒ぶる夜のこと

 雨風揃って大暴れ

 照らす月すら雲の上

 地面は今夜も暗いまま


 雨が上がった朝のこと

 雨粒 したたり葉がしなる

 雲間に覗く陽の光

 スポットライトが地を照らす


 それは明るい昼のこと

 風がそよいで踊りだす

 街に溢れる大歓声

 主役の登場待ちわびる


 夕暮れ終わり宵のころ

 光は月のただ一条

 風も凪いで和やかに

 蕾がゆっくり目を開ける

 皆が登場待ちわびた

 月下美人のその姿

 

 濡れて凍えて震えた後に

 陽の温もりに包まれて

 風が涙を拭ったら

 そっと一輪上を向く

 その凛々しさを知るものは

 宵闇照らす月一つ

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