三体 死神永生 上

 サブタイトルの読み方は「ししんえいせい」だそうです。どうしてでしょうね。

 二部のネタバレ無しでは説明し辛いストーリーですが、頑張ります。


 未来での三体世界との決戦を描いた二部から一転、舞台は一度現代に戻ります。新たな主人公は航空宇宙エンジニアの程心チェン・シンです。


 三体危機直後に始まった面壁計画の裏では、程心が発案したもう一つの計画、階梯計画ラダー・プロジェクトが進められていました。その内容は、三体世界に人間のスパイをひとり送り込むというもの。

 そのスパイに選ばれたのは、程心に恋をしていた末期癌患者の雲天明ユン・ティエンミンでした。程心は計画の行く末を見届けると、未来に行くために冬眠します。


 そして未来。三体世界との対決後の地球で程心は目覚めます。(上巻終盤まで雲天明は放ったらかしです)

 二部の主人公で元面壁者の羅輯ルオ・ジーや、三体艦隊の殲滅戦を生き延びて深宇宙を漂う二隻の戦艦の末路も、ここで明らかになります。

 二部で提示される黒暗森林理論をさらに展開させたものをストーリーの主軸とし、第一部、二部よりもさらにハードSF要素を増したので、難解さも一段上がってます。やはり物理の知識はそれなりに必要です。

 

 宇宙船〈万有引力〉パートでは、四次元世界の別の文明の存在が明らかになります。物語の始まりが文化大革命だなんて、もう信じられないです。

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