三体

 中国のSF小説です。

 中国の暗黒史である文革の場面から始まり(よく書けたなと思います)、現代の物理学者を襲う奇っ怪な現象に続き、謎多きVRゲーム「三体」、異星人とのファーストコンタクトで、お腹いっぱいという感じ。

 VRゲームのシーンがべらぼうに面白いです。人海戦術コンピュータの発想は、中国らしさがよく現れています。


 タイトルは古典物理学の三体問題にちなんでいます。3つの物体が、互いの万有引力に影響されてどう運動するかという問題で、特殊な条件を除き、解がないことが証明されているそうです。ほかにも数学や物理の知識が作中で総動員されているので、そっち方面の知識があればより楽しんで読めるでしょう。

 読む前はとっつきにくいイメージが付きがちですが、理系の知識を語るところ以外はとても読みやすい文章です。登場人物表があるので中国名の漢字の読み方も、その都度確認できます。

 

 私が読んだのは第一部だけです。第二部の「黒暗森林」は二冊構成、第三部の「死神永生」はだけはまだ未訳のようです。

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