第6話 かいふくし代償
人々は僕の前に、集まってくる。
信仰を求めて、僕の力を求めて
周りには、家族を失った者・仲間を失った者たちが
集まり始めている。
死体を引き連れて、僕の前に願いを捧げている。
「どうか、、私の妻を甦らしてくれ、、」
『私の、、息子を助けてくれ』
人々は、僕の前で拝みながら、願う。
亡くなってしまった者達を救ってくれと
僕は、今までの弱気な人間ではない。
変わったのだ、全ての人々が僕の力を求めている。
「皆の者きけ、、今から、、奇跡を見せてやろう」
僕は両手に力を込める。
すると、光が両手に注がれる。
「さあ、、一人ずつ、、前に並ぶが良い」
僕は、ひとり、またひとりと
亡くなってしまった者達を回復させた。
7日間後、、、
僕は全ての者達を回復させた。
約、2000人程にはなるだろうか、
全ての人々は僕の前にたち、、
祈りを捧げる。
「かいふくし様 かいふくし様」
全ての、人々は皆揃って、僕を称えた。
なんて、誇らしいのだろう
今までの人生では、味わえないだろう。
この幸福感、、、
「起きてください、、かいふくしさん」
声が聞こえる…
身体に力が入らない。
「はやく、、、おきて」
耳元で女の子の声がする。
聞き覚えのある声だ、、、
そう、、ミミさんの声だ。
僕は目をゆっくりと開ける。
「おきて、、たいへんな事になってる」
ミミさんが泣きそうな顔で、
僕を見つめている。
どうやら、僕はあの後、、
気を失ったようだ。
『どうしたの なにかあったのか』
僕は、ミミさんに問い詰める。
「あの後、あなたは倒れて、、ここに運ばれてきました…」
「それから、、あなたは3日間寝たきりで、町は大変なことに…」
ミミさんは、泣きながら、、
説明をする。
この3日間で起きたことを、、
僕は、知らなかった。まさか、僕の力が原因なのだと。
人々が回復したときから、それは、起こってしまった。
話をまとめると、、
1日目、、
死体から復活をした人々、計2000人程は目を覚ました。
2日目
人々は皆、、おかしくなってしまったらしい
昼夜、徘徊を繰り返し、食事もとれない、排便も撒き散らした。
症状は人によって違うらしいが、、
3日目
目覚めた人々によって暴動がおきた。
突然、怒りを出す者や自身を見失い、だれかも分からない状態らしい。
3日間で世界は変わってしまったらしい。
目覚めてしまった、人々によって
僕のこの力は、、どうやら、人々の救いのものではなかった。
そして、人々の症状には、見覚えがあった。
まさに、僕が今までしてきた。
介護士として関わってきた、利用者さんと同じだった。
認知症、、、この病気が、
世界をかえてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます