第2話 かいふくし宿
宿を探して日が暮れてきた。
この先の不安が感じられる。
「おい、金をだせ‼︎ はやくださねえか」
怒鳴り声が路地裏から響いている。
どうやら、2人組みの男性が老婆を襲っているようだ、、
周りを見てもだれひとりとして、この状況を見て見ぬ振りをしている。
この状況はまずい、だが、僕に力があるわけもない。
助けることなんて尚更のことだ。
逃げたいが、小心者の僕の身体は一歩も動かない…
「やばい、、刺してしまっただろうが」
「早くださねえからだ」
2人組は慌てた様にやり取りをしている。
そして、僕の方にもどうやら気づいたようだ。
「おい、、、何みてんだ」
大柄の男性がこちらを見て、睨みつける。
僕の身体はこの状況でも、動かない。
大柄の男性の手元を見ると、ナイフに血が染み付き垂れている。
ゆっくりとこちらに、近づいてくる…
「見ていた、、お前が、悪いからな…」
その時、、僕の身体は地面に倒れた。
目をやると、大柄の男ともう1人の男は走って、路地裏を去っていく。
どうやら、僕は刺されたらしい。
ゆっくりと、身体に痛みがはしる。
意識がだんだんと薄れていく。
刺されたお腹に手をつけると、生あったかい物が手につく。
ここで、死んでしまうのか、、、
嫌だ…まだ死にたくない。
僕の手が光った。
傷がみるみる回復していく。
そうか、あの時、神様から貰ったギフト、回復士の力を使えたのか、、
なんとか助かったが、先程の老婆はどうなったのか
周りを見渡すと、老婆が床に倒れている。
『あの…だい…じょうぶですか』
ここでも、コミュ障が発揮されてしまう。
大丈夫なわけがないのだが、老婆は床に疼くっまっている。
血が大量に出ている。
手を老婆にかざし、治れと強く願ってみる。
また、先程と同様に手から光が出る。
老婆は意識を取り戻した様だ、、
「あんた、回復士かい 本当に助かったよ」
「2人組みの男に襲われた時は、本当にダメかと思ったわ」
「お礼がしたいけど何したらいいかね」
老婆は僕に尋ねている。
だが、僕はコミュ障全開がでてしまい。初めての人と話しがうまく出来ない。
「大丈夫かい、あんた見ない顔だね、よかったら家に寄ってくかい」
老婆は気を使っている。
『泊まるばしょ、、ないので、、さがしています』
僕は一言、伝える。
汗が滝の様に額から流れ落ちるのだわかる。
「わたしん家は、民宿しているから良かったら、泊まっていきね」
「命の恩人なんだから、遠慮はいらないよ」
老婆は、僕のことを察してか優しく会話をしてくれる。
本当に自分の性格が嫌になるが、異世界に来たからとしても
あがり症は治らないらしい。
『よろしく、、おねがい、します』
そう一言、僕は老婆に伝える。
老婆は優しそうな顔で頷いてくれる。
老婆についていき、民宿に泊めさせてもらおう。
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