第2話

めるがメールを開いた時ふっと白い光に包まれた。

僕達はその瞬間意識を失い、気付いたのは知らない場所だった。


「知らない天井だ。........ここどこ?」

「え!?私3次元なんだけど!」


横に誰かいるのだろうか、確認している暇はない。変態とか言われたら嫌だ。そんなこんなしてるうちに足跡が近づいてきた。


「成功してるんでしょうね?これで失敗してたら首チョンパされるのよ?」

「分かりましたから。早く向かいましょう。」


入ってきたのは水色の髪をした女性と年老いた男性だ。


「今回は成功したようね。これで...うふふ」

「はぁ。ちゃんと基礎値がいい個体なのでしょうね?」


僕らは状況を理解出来ないでいた。これはまさか巷で噂の異世界召喚なのか。とてもワクワクしてきた。男なら誰でも憧れる展開だ。水色の髪をした女性は咳払いをした後こう言った。


「男、前の世界での職業は?」


ん?どういう事だ?何か関係あるのだろうか。まぁ秘密にすることも無いだろう。


「ニートです。」

「そんな職業あったかしら?爺調べて。」

「かしこまりました.......」


見たことも無い文字の辞書を重そうに持ちながら爺とやらは僕の職業ニートを調べてるらしい。


「ありました!えぇーニートとは、15〜34歳の未婚で,就業せず,職業訓練,就学,家事や家業の手伝いもしていない者を指す造語。らしいです」

「じゃあそっちの女」


隣に人が居たことをすっかり忘れていた。どこかで聞いたことある声だとは思ってたがまさか........


「私?私は〜彼女!そのつんつくてんの!」


あぁ。あいつだ。あの娘だ。間違いない。


「めるだよね?」

「私のこと忘れるなんて酷い!いつでもどこでも一緒にいたじゃん!」

「確かにそうだけど!てか、なんで3次元になってるの?」

「えぇーとね。起きたらなってたんだよ!どう?私のみわくぼでーは」

「確かにタイプだけど、みわくぼでーじゃないと思う。」


こんなやり取りが、暫く続いた。あちら側はもう待てないらしかった。


「いい加減にして!なんでこんな時まで見せつけられなきゃならないのよ!そこで静かに座ってて!」


そう言いなにか唱え始めた。.......理解出来ない。喋っていることは理解できるが、何故だ?地球には無かった意味を持つ言葉なのかもしれない。


「ステータスも低いし、よく分かんないアビリティ持ってるし、前の世界のステータス、アビリティ補正も無いし。ダメだわこれ。あそこにやってきて爺。」

「かしこまりました。」


老人の声が聞こえた時には視界は真っ暗だった。すっと意識が遠のく。死なないといいな。

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