第2話『対話』俺ら何の話をしてんだよ!!
神と名乗るその老人は仙人のような姿をしていた。七福神で例えるなら寿老人?寿老人事態あいまいだが名前的にあってると思う。宝石のたくさんついた杖が、見たことのある光を放っていた。そう、これは俺が意識を失う前に見た光だ。
「神様、、、?」
暖かな微笑みを向けて俺達に近づいてくる老人。
神と名乗っただけあって足の運びまで神々しさを感じる。
俺達とは違うシルクのようなローブをまとっている、(と言っても一人 全裸で。一人 着ぐるみだが)地元でもどこでもこんな服装を着る老人はそう見ない。この状況を一番知っているのはこの神しかいないな。俺は神に問いただす。
「一体、俺達はどうなったんですか?」
「うむ、それはーーー」
「異世界からの召喚というやつね。この神という老体が、わたし達を現実世界からこっちの世界に呼び寄せたのよ」
「そうか あの光の時か。つまりここは別世界」
「そう言うことなんですね。理解しました」
「ん、、、。そ、そうじゃ、、、、」
神が意気揚々と話始めようとしたとき、全裸の幼女が遮るように答えだした。続いて鳥の着ぐるみが解釈しだし、ビッグバンアフロが納得した。神は自分の話す番を捕られて傷ついたのか、俯いて黙ってしまった、、、、。問答が終わった。
「、、、、、、」
そして誰も喋らず沈黙が続くーーーー。なんだこれは。
とりあえず、ここは異世界で俺達を呼んだのがこの神様と言うことで間違いないのか。「そんな世界が存在するなんて」とか、今さらなんだろうな。
しかし、どうしてこんなことになったんだ?もっと話を聞かないとな。
「、、、神様、どうして俺達を招いたんですか?」
「うむ。そう、それはーーー」
「異世界に存在する人間はこの世界に存在する人より秀でたところがある。それを期待しての召喚ね」
「それが呼ばれた理由なら、なるほど、利にかなっている」
「そう言うことなんですね。理解しました」
「ん、、、。うむ、そうじゃな、、、、、正解じゃ」
、、、正解らしい、、、。いや、だからなぜ幼女が答えるし。
そしてなぜこいつらは追撃して話を終わらせる。
「、、、、、」
また神は黙ってしまった。神は俯きながら渋い顔をしている。そして、3人は特に喋ることがないのだろう、それ以上は話さないし、何もする気がない。
沈黙が再開するーーーー。だから、なんだこれは。
「あ、、、あの。俺達の力を求めてるっていうことでいいんですよね?それはなぜなんですか?」
「うむ、そう、それは即ちーーー」
「その力を使ってこの世界を脅かす邪悪なヤツを倒すに決まってーーー!」
「そのとおりだから、わしにしゃべらせてもらえるかのぅ!」
「話させてやれよ、お前、全部答えるじゃねぇか!」
神も説明したかったのだろう、三回目の幼女の遮りを遮り返した。少し遠くてよく見えないけど、神はちょっと泣いてるかもしれないそんな感じの声だった。幼女はゲーム脳の発想だったんだろうが見事に的中だったか、言いたいこと言われてちゃ泣きたくもなる。
そして鳥とビッグバンは身構えてたから、また追撃しようとしていたようだ。わけわからない状況だって時に、なに面白そうなこと見つけてんだコイツらは。
幼女は「ふっ、しょうがないわね」と、威張って顔を上げ、手でどうぞと、ジェスチャーした。どうやら黙っててくれるようだ。本当に黙っててくれ。
そして、ようやく神は語りだすーーー。ここまでの時間はなんだったんだよ。
「うむ。まず、おぬし達をこの世界に呼んだのはわしじゃ」
「それはさっき聞いたな」(幼女から)
「、、、、、、、、」
鳥の鋭い
「、、、ここは、おぬし達がいうところの幻想世界。今いるこの場所は、その大地のはるか上空にある天空島の一つで、わしが異世界人召喚用に作った儀式島じゃ、、、。そして、この雲海の下にはおぬし達もよく知る世界が存在する」
神は下界をちらりと見ると、再びこちらに目を向けて言った。
「その名は『召喚世界メルセシア』、またの名を『レヴァラムゲート』という。」
「な、なんだって!!」
レヴァラムゲート、、、その名前は、この異世界にくる前にスマホで開いていたゲームの名前だ。今その名前をここで聞くとは思わなかった。俺は驚愕した、あまりにも身近すぎる。
「確かに、この近くに見える建築物はレヴァラムゲートの天空エリアで見たことがある」
「と、、、。本当なのか!」
「ああ、少し形は違うがな」
鳥はレヴァラムゲートに詳しいらしい。天空エリアとはレヴァラムゲートの上空に存在している天空人たちが住む場所で、上空なのに森林や大池や遺跡、地下迷宮などがあり、迷宮には
改めて辺りを見渡すと、離れた所にその聞いていたような風景が見える。俺は始めてまだ一ヶ月くらいだから行ったことがなかったが、ここがそうだというのなら納得するしかない。
「つまり俺達はレヴァラムゲートの世界にいるってことになるのか」
「少し誤解がある、この世界はゲームの世界ではない。この世界を忠実に再現したゲームがレヴァラムゲートということになるんじゃ、、、。つまり、おぬし達がやっておったゲームは仮想現実で現実がこのメルセシアということじゃな。レヴァラムゲートというゲームは、このメルセシアの世界を体験でき繋ぐもの、召喚したおぬし達がこの世界でもすぐ順応可能となるようにと作られたものなんじゃ。」
神は続ける。
「そして、召喚したおぬし達に頼みたいことがある、、、」
「一体、、、、一体、俺達に何をさせたいんですか、、、」
「うむ、、、、」
神は一呼吸あけ、言いづらそうにしながら口を開いた。
「邪神を倒し、この世界を救ってほしい!」
「それはさっき聞いたな」(幼女から)
「、、、、、、、、、」
そう、さっき聞いた。「うん、知ってた。」みたいになった俺はひきつった顔で幼女に顔を向ける。
「お前この残念な感じ、どう責任とってくれるんだ」
「しゃべっていいのかしら?」
「いいえ、まだ黙っててください」
幼女をおさえている間に鳥が聞く。
「展開からいうと、その邪神というのを倒したらオレ達をもとの世界に帰してくれるということになるんだな」
「もとの世界に帰す?あ、いや、そうか、おぬし達にはまだ伝えてなかったな」
神は幼女のせいで伝え忘れていた重要なことを話し出した。
「おぬし達はあの夜死んだ、、」
「なっ!」
「いや、違うな、すまぬ。正確には死に直面したということじゃ。おぬし達をこちらに召喚したあの時、強烈な異常気象があの辺りを襲い、おぬし達の住んでいた地域は壊滅した。そこにいたならば確かに死んでいたかもしれん、そういうことじゃ」
「壊滅?異常気象で?そんなバカな!」
ありえない。数十年過ごしてきた俺の街が一度の異常気象で滅ぶのか、ファンタジーじゃないんだぞ。まさか。
「気づいたかもしれんが、その異常気象もこの世界にいる邪神の仕業じゃ。あれの力はこの世界だけにとどまらず、他の世界にも干渉しだした。帰る方法はあるが、おぬし達がもとの世界に帰ってもそこには何も残ってはおらん」
「帰るだけ無駄ってことか。ところでなぜオレ達だけ召喚を?」
「召喚できたのは、あの時レヴァラムゲートを展開しておったからじゃ。
ゲーム名となっておるが、レヴァラムゲートとは本来この世界と異世界を渡る
それを聞き、俺はあの時の事を思い出した。
「そうだ、、、確かに俺は吹雪の中でレヴァラムゲートを開いた。もしかして、みんなもあの時、、、!」
「確かに私はあの時、レヴァラムゲートをやりつつ、爆発的な料理を作って爆発を、、、」
ビッグバンが何を言いたいのかわからないが爆発したらしい。
「爆発、、それでその頭と黒煙か?料理に何したんだよ」
「先生に凄い料理を食べてもらいたかったんです!つまり芸術です!芸術は爆発です!」
「どんなのだよ!ってか先生って誰だよ」
「安心しろ。爆弾処理は日常茶飯事だ」
鳥だった。
「安心でき、、、って、お前が先生かよ!え、お前達は知り合いだったのか!」
「そうだな」
「何で黙ってたんだ!?」
「オレンジ色の羊を頭に飼っているようなヤツが知り合いとは思えなかったからだ」
「面白い例えするなし!色でわかるだろ、そうはいないぞ」
「オレの知っている2次元キャラでは割と多い方だと思うが」
「現実にこんなバブルガムみたいな髪の色の奴が大量にいてたまるか!」
「たしかに」
「そっちの子は気づいただろう!?鳥だぞ!」
「先生?ーーーー何故、鳥の着ぐるみを?」
「あ、こっちは日常茶飯事じゃねぇんだ。何で着ぐるみを着てんだ!お前だけずっと謎だよ!」
「まって!わたし、すっぽんぽんじゃない!!」
幼女。
「おい、今さらかよ!」
「そういえば
「ああ、だから湯気が、って、幼女が湯浴みとかすっぽんぽんとか なかなか言わねぇよ?」
「何見てるの。はっ、まさか、この幼児体型が好きなの?!」
「好きとかじゃねえよ!ってか、もう気づいたんなら隠してくれる?見たくはないんだよ、なあ先生」
「大丈夫だ。オレは見たいし見てる」
「それ大丈夫じゃねぇやつじゃねぇか!!」
「恥ずかしいわね」キリッ
「いいから隠せって!鳥が見てんだよ!!」
「私も見てください、脱ぎますから」
「何でだ!脱がんでいい!!」
「そうだ、脱がんでいい!」
「お前の着ぐるみはもう脱げよ!!」
「おい、この下は全裸だぞ、いいのか!」
「何でなんだよ!絶対脱ぐんじゃねぇぞ!」
「そうよ、全裸がかぶるじゃない!」
「そっちの心配はしてねぇわ!!」
「とりあえずスカートは下ろしました!」
「「上げろ!!」」
「全裸がかぶるって言ってんのよ!」
「そこじゃねぇって言ってんだろ!!おい!俺ら何の話をしてんだ!!」
「まったくじゃ」
「「「あ、、、」」」
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