おまじないの女の子
もなか
第1話
私は、魔女の家系に生まれた4姉妹の末っ子、シャロ。
代々魔女が生まれ育つ一族に生まれたのに、私は魔法が使えず、せいぜいできるのがおまじないくらいです。あと薬術とか…。皆には、出来損ないと言われ、笑われています。
魔女は17歳になると、遠くに修行へ出なくてはなりません。
でも、おまじないしかできない私は、修行へ出ることはできません。
今日は、3番目のお姉さんが修行へ出る日。優しくて強い3番目のお姉さんが、私は大好きです。寂しくて、寂しくて、私は泣きました。そんな私に、お姉さんは言いました。
「シャロ、私はあなたのあったかいおまじないが大好き。泣き虫で、どんくさくて、頑固で優しいあなたのことも大好き。きっと、あなたを丸ごと好きになってくれる人がくるわ。」
そんな人、くるわけにないのに。
「あら、私のことが信じられない?ふふ、大丈夫よ。きっと来るから。でもね、注意しなさい。あなたもきっと、その人を好きになるわ。でも、愛になる前にその人を見直しなさい。愛になれば、許してしまう時がある。それが、あなたを苦しめる根源となるわ。」
私には見えないものが、お姉さんに見えているようです。不思議そうに見上げる私の頬を優しくなでてくれます。
「今はわからなくても、きっとわかる日が来るわ。その時が来たら、思い出してね。約束よ。」
そうして、お姉さんは旅立っていきました。
私はシャロ。6歳。まだ、運命の輪が回るのは先のお話。
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