8 告白の話
ああ、おはよう。ごめん、ちょっとかけて待ってて。……そうだよ、だからゆっくり待っていてくれ。まだ一週間だよ。待つのが君の仕事だろ。うん、じゃあ、また。
……ごめんごめん、電話が長引いて……。うん? うんまあ、友人? かな? 仕事でよく関わることが多いんだ。そう、仕事の話。ほら、昨日ぼやいたでしょう、宿題の件だよ。気が短いやつなんだ。それはさておき……。
改めて、おはよう。八日目だ。何か変わったことはある? え、僕が電話してたこと? はは、だからごめんって。すまなかった。焦らずいこう。そう、焦らずに。
さて、今日は……え? さっきの? いや、うん、構わないけど、彼はまあせっかちと言うか、良く言えば豪気なやつで……いや? 僕とは全然違う職だよ。白衣かぁ、似合わないと思うなあ。あんパンと牛乳のイメージはあるかな、定番だし。ああでも、何かを紐解くという点においては同志かな? うん。
もしかしたら君もこの先会うことがあるかもしれない。ここに来るのかって? ……うん、たぶん。そのうち。はは、ほら、未来は不確定だから。来るかもしれないし、来ないかもしれないけれど。僕? 僕は明日もここにいるよ。明後日も。明明後日も。君がいる限り。
告白みたいだって? 恥ずかしいなあ。じゃあ君からの告白を、僕は待っていようかな。何もない? そう言わず。一方通行は、さみしいものだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます