競プロ部新年度編

最終話

 桜が咲く季節がやってきた。今日から私たちは高校二年生になる。そしてそれと同時に新入生がやってくる季節でもある。新入生のフレッシュさに後押しされて学校内が華やかだ。


 どこの部活も新入生を勧誘するために大忙しである。学校内のあちらこちらで新入生の勧誘が行われている。壁には部活勧誘のチラシが隙間なく張られている。そしてもちろん、競プロ部も例外ではない。


「競プロ部です! 競プロに興味のある方はぜひ我が部活へ! 興味がない方も本当におもしろい部活なのでぜひ!」


 私は声を張り上げて新入生を勧誘する。私の隣では早希と玲奈が部活勧誘のチラシを持って待機してくれている。チラホラとチラシを受け取ってくれる新入生がいて嬉しい。


「あの、競プロって何ですか?」


 そんなとき、ふと現れた新入生らしき女の子が声をかけてきた。眼鏡をかけたおとなしそうな子である。


 私はニヤリと笑顔になる。


「競プロは競技プログラミングのことです! もしかして興味あり?」


 私がそう言って詰め寄ると、女の子は怯えて後ずさりした。


「い、いえ。ちょっと気になっただけで」


「気になったってことは興味があるってことだよな?」


 早希も笑顔で詰め寄る。


「あ、あの」


 さらに女の子は怯える。しかし、私たちは声をかけてきた新入生を逃がしはしないのだ。


「とりあえず部室行こうか?」


「お菓子あるぜ。好きなだけ食べていきな」


 私と早希、玲奈は新入生を連れて部室へと向かった。


 今年も競プロ部は絶好調だ。




■■■おわり■■■

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