第6話

彼女が去った日の夜。

俺はひさしぶりに、しずかに話しかけることにした。


「しずか、そろそろ飯にするぞ。何が食べたい?」


・・・・・


「しずか、どうした?」


何かがおかしい。

しずかがイメージできないのだ。


しずかの顔、姿、声・・・なにもかも。


「しずかが居ない?俺のとなりにしずかが居なくなった?」


馬鹿な、しずかは俺のイメージに過ぎない。俺が想像すればしずかは現れるはずだ!


それから懸命にしずかをイメージしようと頑張ったのだが、ついにしずかは現れなかった。

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