第91話 連動
私がスマホ画面をタッチした瞬間。
パルマをはじめ、ユピテル達が一斉に光の玉となる。
そしてそのまま、渦巻くようにくるくる回りながらスマホへと吸い込まれていく。
「え、なんで?」と思わず漏れる私の台詞。まるで応えるかのようにスマホにメッセージが表示されていた。
『地域限定ガチャ及び位置情報登録をオフにしました。それにともない地域限定ガチャで排出されたユニットは収納されます。クールタイム86,400』
まじまじとスマホを見つめる私。
──もしかしてこれ、ユピテル達、召喚できないってこと?
スマホを操作し確認する。
パルマ達ユピテル七人の名前がグレーアウトしていて選択出来ない。
色々操作してみて、ガチャアプリの地域限定ガチャの所でクールタイムが表示されていた。
──うわー。まじか。これ、地域限定ガチャとそのリザルトユニットと位置情報がすべて連動しているのか……。多分、一度地域限定ガチャをアクティブにすると、ユピテル達を呼べるけど位置情報もアクティブになって敵に襲われまくる、と。この流れだと、その位置情報をオフにするのにもクールタイムがありそうだな……。
私はスマホを見ながら、自分の予想にがっくり肩を落とす。
「クウさん……」と、ジョナマリアの声。
ガバッとスマホから顔を上げる。
こちらを見つめるジョナマリアとカルファルファ。
どうやらカルファルファは落ち着いた様子。
ただ、こちらに向けられるカルファルファの瞳に見える感情に居心地の悪さを感じてしまう。
畏怖、憧憬、そして見え隠れする猜疑心。それは前に焔の民の少女がバンブーキングを倒した後にも感じた視線。
ふっと目を反らしてしまう私の様子を見て、ジョナマリアが口を開く。
「カルファ姉さん」
「あ、ああ。すまない、クウさん。何はともあれ助かったよ。ありがとう」とカルファルファ。
「いえ、そんな……」とぎこちなく答える私。
そんなカルファルファとの会話中。視界のすみに映るジョナマリアの変わらぬ瞳に救われる。
「さあ、いよいよ大源泉ですよ、行きましょう!」とギクシャクしている空気を吹き飛ばすように、普段よりかなり明るく話すジョナマリア。
「そうだな。歓迎する、クウさん。こちらへ」とカルファルファ。
私たちはカルファルファに連れられ、洞窟へと入っていった。
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