第6話 新たな仲間

 大人しく私の話に耳を傾けているディガー達。


 私は一人一人の顔を順々に見ていく。みんな、真面目な顔をして、見返してくる。


「うん、それじゃあこれからもよろしくね。さて、準備するからもう少し待ってて」


 それをきっかけに、ディガー達はそれぞれ、私の声の届く範囲でやりたいことを始める。


(皆、優秀だな。ディガーはスコップで素振りしてる。戦闘訓練? ショウはナイフの手入れか。あれは石で研いでるのかな。ディアナは……何だろう。痕跡を消している? 用心深いな。こうしてみると、皆性格出てるよね)


 私は横目でディガー達の様子を見つつ、残ったポイントでノーマルガチャを25回、回す。


 今回特に目ぼしいのは、これ。


 レア度 レア

 属性  アイテム

 名称  肩掛けカバン(収納増加 小)


 見た目は革製の肩掛けカバンだか、ファンタジー定番のマジックバックになっていて、見た目以上の荷物が入るみたいだ。まあ収納増加が小になっているけど。それでも畳三枚分位の収納スペースはありそう。


 私はさっそく湧水の桶やら予備のスコップやらをしまいこむ。


 あとの結果で地味に嬉しかったのが、ブーツと歯ブラシ。どちらもコモンアイテムだが、ずいぶん助かる。


 そして新しいユニットも出てきた。


 レア度 コモン

 属性  ユニット

 名称  血吸コウモリ


 これがなんと6匹もかぶった。

 収納出来るからと、試しに6匹全部召喚してみる。


 次々に魔法陣から溢れるように出てくるコウモリ達。近くの低木の枝まで飛ぶと、そこに並ぶように吊り下がっていく。


「やあ、よろしくね」


 キイキイと騒ぐコウモリ達。

 私は意思疏通が出来ているのか確かめようと簡単なお願いをしてみる。


「えっと、飛び立って、ぐるっと回りを見てきてくれる? 人のいる方に行きたいんだけど何か手がかりあったら教えて」


 キイキイと鳴きながら、コウモリ達は飛び立つ。


(ひとまず簡単な指示はオッケーと。後はどれくらい応用がきくか、だなー。そういやコウモリって夜行性って訳じゃないんだっけ)


 私はふと疑問に思うが、まあいいやと、コウモリ達が帰ってくるまでの時間で他のガチャのリザルトを確認することにする。


 後は下級ポーションが8本。これは保険としていくらあってもいい。全て肩掛けカバンにしまう。


 マントも2つ出たので、これはディガーとディアナに渡す。

 そしてまたナイフ。これはショウが予備として使うらしい。おねだりされてしまった。


 そして残り5個は、ランクがアンコモンのスキルが出た。


 レア度 アンコモン

 属性  スキル

 名称  スワタニ語理解(片言)


 レア度 アンコモン

 属性  スキル

 名称  駆け足


 レア度 アンコモン

 属性  スキル

 名称  木登り


 レア度 アンコモン

 属性  スキル

 名称  投石補正(小)


 レア度 アンコモン

 属性  スキル

 名称  塗装補正(小)


 私は、ふと思い付いてユニット編成を確認すると、ディガー達へもスキルを覚えさせられることに気がつく。


「これは! 楽しくなってきたよ。どんどんスキルを覚えさせれば、育成も出来るのか。どうしよう、ゲーマーの血が騒ぐ。あらゆる可能性を検討したい。いやこれ、全然まだまだ決めれないわ。ただ、唯一、これだけは使っておくか」


 私は、このスワタニ語理解(片言)を自分自身で習得する。


「これが、この異世界のこの近くの地域で通じれば良いんだけど。もしくはディガー達との意思疏通に役立てばそれでも御の字……」


 私のスキルの習得が終わる頃に、コウモリ達が帰ってきた。





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