1-1 三國 翼 様

「初めまして。私は花村零鳴と申します。有名ではないのですが霊媒師をさせて頂いてます。霊媒師と言っても怨霊専門なんですけどね…」


(コンコンコン)


「はい、私霊媒師の花村 零鳴でございます。なにかお依頼でしょうか?」


扉を開いて立っていたのはまだ4~5歳くらいの男の子でした。こんな子が怨霊になるなんてさぞかし酷い人生だったんでしょう。


「俺、三國、翼。お前霊媒師の花村 零鳴って言うんだろ!?さっき宙に浮いてるおっちゃんに聞いたぞ!!俺の願い叶えてよ!」


この子は本当に人に怨みや憎しみがあるのでしょうか?そう思うくらいとても元気な男の子です。でもここは怨霊しか辿り着けない場所なので何かあるんでしょうね。あっいけないいけない、人を見た目で判断してしまうのは私のダメな癖です。


「おーいおねーちゃん!聞こえてるの?」


「はっ!ごめんなさい。少々考え事をしていました。願いとは?なんでしょうか?」


「えっとね、俺の父ちゃんと母ちゃんの事懲らしめて!あの2人すっっごい嫌な奴でさ。」


「懲らしめるとは…翼様はお父様とお母様に何か酷いことなどされたのですか?」


「いーーっつもだよ!俺の事すぐ怒鳴り散らすしさ!父ちゃんなんて全然帰ってこないし。多分俺が死んじゃったのが3ヶ月くらい前だと思うんだけど~、その間2人とも1回も家に帰って来ねぇの!本当に親かってんだよな~~」


「それはそれは…さぞお辛い…それにしても翼様はしっかりしているのですね」


「なんで??」


「翼様くらいの年齢ですと自分が死んだ事を受け入れられてない人が多いですので…。」


「ねぇ俺の事何歳だと思ってるの?」


「4~5歳では·····?」


「ちっがうよ!もう15歳だ!!」


「私と3歳しか変わらないのですか!?それはそれはお小さい·····」


「ふーざーけーるーなぁ~!まぁ、とりあえず怨みを晴らしお願いしたいんですけど。晴らして貰えますか?」


「はい、私にお任せあれ」


さてさて今回の依頼主様の三國 翼様の願いはどういう結末を迎えるのでしょうか····



続く

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