2019年春のゲームマーケットで企画が発表され、大いに話題となった連作ボードゲームプロジェクト『Kaiju on the Earth』シリーズ。その第一弾となる『ボルカルス』は『シン・ゴジラ』を彷彿とさせるゲームでした。
プレイヤーは東京壊滅を目指し怪獣ボルカルスと東京を守る人間のチームに分かれて対戦するというのがゲームの内容ですが、怪獣の進化、都民の避難、対怪獣の新兵器・特殊作戦など怪獣映画好きなら思わずニヤリとしてしまう要素満載で、かつそれをうまくゲームに落とし込んでいます。
ゲームの処理というのはつまるところパラメータの変化に過ぎないのですが、ボルカルスには、逃げ惑う都民や、救えなかった人命の重さに苦しみながら救助にあたる消防士、絶望の中で反抗の機会を窺う科学者たちの顔がありありと思い浮かべることができる、そんな魅力があります。
と、ここまではボルカルスのレビューになってしまっていますが、同じことが本作にも言えまして。丁寧にゲームのルールについて脚注を入れながらも、政治家、自衛官、消防士、科学者がそれぞれの戦場で奮闘する本リプレイは臨場感たっぷりで、とても面白かったです。
ボードゲーム好きの方はもちろん、怪獣映画好きにもおすすめしたい作品ですね。