世界から罵りが消えたなら

@Skyestboy

第1話 おい、鈴木!

 ・・・ ・・き 


 ・ずき! すずき!


「おい!鈴木!

 聞いてんのかお前は!」


 ハッ!として恐る恐る顔をあげるとまさに茹でタコのように顔を真っ赤にして、今にも破裂しそうに血管をピクつかせ、ブチギレてる部長。


 あれ、俺何したっけ・・・


「お前はいっつもそうだ!取引先に連絡はしたのか!?運送屋さんに確認は!?」


 この茹でタコ部長こと、深田康二(54)からのは、俺にミスをなすりつけようとしている。このブチョーさんの指示通り発注したし、納期も確認した。受け入れ態勢万全の状態だった。


 but!!!しかし!!!今日の朝!!!このタコ頭ハゲ部長は!!!

「あ、そういえばあの件、1000じゃなくて100だから。ハハハ、まあ気付いて直したでしょ?ハハハハ」


(は?いや、このハゲ!てめえが1000って言ったから1000注文したんやろが!)「え?部長が1000って言ったから1000発注しましたよ?」


 ドカン。(爆発した音)


「だからね、君はダメなんだよ!はっきり言って馬鹿だ!ガミガミ・・・


 はい、すいませんでした。直ちに修正して再発注いたします。


 これしか言えない。


「今欲しいんだよ!お得意様は待ってるんだよ!君どうするの!」


 資材が不足した訳ではないので、必要数確保したら返品ということでメーカーに処理してもらう。運送屋さんには謝る。これでなんとかいけると思います。


 こういうと部長はもっと、ハワイのなんちゃら火山のように凄まじい爆発するので、言ってはいけない。これが暗黙の了解だった。


 とにかく平謝り。これしかないのだ。

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