第14話 〜1週間の成果〜

 剣の打ち合う音が鳴り響く畑の中、俺とツバキはいつも通り剣の訓練をしていた。

 流石に1週間もやっていると相手の癖や技量が大体わかってくるので練習に物足りなさを感じてくる。

 別にツバキが弱いと言っている訳ではないが、もっと別の相手ともやって見たくなるのが人の性と言うものだろう。

 とはいえ、彼女も上手くなったなと思う部分もちらほらも見え始め、今では最初のような大振りをしなくなり隙が少なくなったといえる。


「よし!今日はこれくらいにしよう」


「ええ〜!!、早く上手くなりたいからもっと練習するの〜!!」


 短剣をブンブンと振って駄々っ子のように駄々をこねるその様はまさしく子供だ。

 俺がハハッと笑いながら彼女の頭にポンっと手を置いて「また明日な」というと「タルトの癖に生意気〜」と返されたので笑う俺。


「いやいや、あんまり遅くなるとまたツバキのお母さんに怒られるぞ」


「まあ...、それはわかってるけど...」


「だから...な」


 彼女はあんまり納得していない様子だったが、首を縦に降る。


「うん...わかってる...わかってるけど少しでも早く大剣を振るいたいんだよね...」


 例の本を見開いてそのページに思いをはせる彼女を見他俺は「頑張れ、俺も手伝うから」と励ましの言葉をかけてあげると喜んでいた。


「これからは毎日特訓だからね!」


「いや〜...毎日は流石にきついっす」


 俺は誤魔化すように彼女に返すと、2人顔を見合わせながら笑っていた。

 こういう何気ない会話を友達ともう一度することができるなんて夢のように思う。

 最近本当に生きた心地がしている、俺はこの世界に生きているのだと実感できている。

 夕日をバックに俺たちはいつもの帰り道を共にした。

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