最終話「2人乗り」

学校おわったぁ...

でも、さっきの人が転校生だったなんてびっくりしたなぁ...


えっ?!お兄ちゃんのロードバイクがない!

そっか鍵かけるの忘れちゃってたんだ!


「桜木さん!」


「あ、桜井くん...」


「僕の自転車、乗って行くかい?」


「え、いいの?」


あれ、桜井くん朝歩いてなかったっけ?


そうして、私は桜井くんの後ろに乗せてもらった。


あぁ、気持ちいい風。



「ちょっと君達!」


なんと、警察さんに止められてしまいました!


「2人乗りなんかして、危ないじゃないか!

君たちは何処の学校の子だい?」


「待ってください!」


(桜井くん!?)


「2人じゃないです!悪いのは僕なんです…僕が桜木さんを誘ったから…」


「いや、とりあえず君たちの学校を教えてくれるかな?」


「そんな!教えられないです。学校を教えてしまったら、桜木さんにまで迷惑がかかってしまう。そんな事、僕にはできない!」


そんな、桜井くん。私をかばってくれるなんて!

私の胸のドキドキは止まることを知らなかった…


「もういい…じゃあそっちの女の子…」


そう言って警察さんが私に近寄って来てしまいました!


「桜木さん!ここは僕に任せて、君は逃げるんだっ!」


「桜井くん!」


なんと、桜井くんは私を逃がそうと、警察さんを押さえつけていました!


「あっ!こら!きみっ…」


ごめんなさい!桜井くん…

私は、涙を堪えて走った。

一生懸命に。

走るのには向いていない、ローファーで靴ずれをおこしながらも、私は走った。


今日の夕日は、いつもより紅く痛々しい色をしていた…

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恋に落ちる瞬間 鳩の唐揚げ @hatozangi

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