天使の日 [257文字]
家で飼っていた鳥の羽根が、とても綺麗に抜けた日のこと。
その羽根を後生大事に持ち歩き、クラスメイトに自慢をし、放課後、小学校からの帰り道。
公園に佇む女の人は、今にも消えそうなくらい悲しげだった。
「おねーさん、このはね、あげる」
女の人は驚いていたが、すぐに、泣きそうな顔で笑った。
「ありがとう。でも、お姉さんの羽根は、これでは治らないの。もうボロボロだから。その綺麗な羽根は、あなたが大事にしてあげて?」
そう言って私の頭を撫でる。
瞬きする間に消えてしまった女の人の背中には、羽根の殆ど抜けた天使の羽根があったのだった。
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