僕は透明人間 [138文字]

 彼は自分が透明人間なのだと語った。誰の目にも映らず、好きなことができるのだと。

 家族はいるし、家もある。

 けれど家族には見えないから、自分のことは何もかも自分でやるのだと。

 物心付いた頃からそうだったから、もう慣れてしまったと。

 私の目には、痩せ細った少年が一人、しっかり見えていた。

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