司法になど裁かせない [240文字]

嘘だ。

嘘だ。

嘘だ。


だって昨日、告白したばかりで。

だって昨日、キスしたばかりで。


どうしてキミは、湖に浮かんでいるの。


桜色した頬には青あざ。

乱れた胸元から覗く素肌にも紫の花弁が散りばめられて。


遺書など、信じられるものか。

彼女の筆跡だと言われても、無理やり書かされたに違いなかった。


彼女の死を悲しんでもいないくせに、彼女に似た目元から涙など流すなよ。



「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!」



絶対に、許さない。

絶対に。


今は叫ぶことしか出来なくとも、必ず後悔させてやる。


彼女の苦痛を、味わわせてやる。






お題:叫ぶ・遺書・浮かぶ

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