児童失踪事件
猫田
相互に秋
(…真樹、遅いわ…)
寄り道でもしているのではと一瞬思ったが、やんちゃでも下手な真似はしない真樹がするはずが無いのだ。真樹の行方が気になった早也香は、真樹といつも一緒に帰っている
「もしもし、秋岡さん?」
《相原さん…どうしました?》
「息子が帰ってこないんです…」
《実は…私のところも啓祐が帰っていなくて…》
「…秋岡さんのところも…」
もしかしたら誘拐事件かもしれないと冷や汗をかきながら電話を切った。そして震える声で清原家にも電話を掛けてみたのだ。
「も、もしもし?清原さん?」
《おお、真樹の母さん?こんちゃ!》
「あ、あれ?健一くんじゃない、帰ってたの?」
《ん?俺はもう帰ってるよ。真樹のことでなんかあった?》
「実は…真樹が帰ってこなくて…何か知らない?」
《えっ》
健一は驚いている様子だった。
《俺ら、一緒に帰って真樹の家の目の前で別れたよ…?》
「そ、それならなんで…」
《真樹だってそのまま家に入っていったはず…》
誘拐事件ではないことに安堵した早也香だったが、それより謎が更に深まってしまった。もしかしたら既にもう家に居る?そう思い、名前を呼んでみたがやはり返事は無い。
「ごめんね健一くん、また見つかったら電話させてもらうね…」
《うん》
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