狭間
終末のガイア
はじめに
俺はとある男子進学校に勤める教師だ。気づけば3回ほど卒業生を出していて、40代を謳歌していた。
そんなある日、新聞であるニュースを見かけてしまった。教え子の、早すぎる自殺の報だった。
そいつのことは良く覚えている。3年間、全く努力もせず、いつもにへらのへらと笑っていて、クラスの中心で居ながら結局留年すらした。
その次の年、ずっとフルスコアだったというのだから驚きだった。開校以来の快挙であったのだが、その才を持ちながら発揮させてやれなかったというのが、どうも胸にわだかまっていた。
進学校だから、日々の情報サーチは欠かせない。俺が伝えた情報が、彼らの血肉とならないとは限らないからだ。その日ばかりはその習慣を悔やんだ。
「──先生、お電話です。内線──まで…」
とてつもなく、悪い予感がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます