レイモンドの心変わり

次の日の朝、城は大騒ぎ

週刊誌にレイモンドとエミリアの

熱愛が報じられた。


昨日の服装のままホテルに

入って行くレイモンドがエミリアと

写った写真が載っていた。


😩💨「トラブル・・・ってコレ?

心配してソンした。」


それから直ぐ、レイモンドは

王に呼び出され報告に帰ってきた。

美桜は複雑な気持ちでレイモンドの

自室に向かうと着替えを手伝った。


エミリアの話には触れなかったが

レイモンドはそれなりに

優しくしてくれて悪びれた様子も

無かった。

ただただ忙しいようで

サッササッサと用事を済ませて

行った。


(早くムラアーナに帰りたいんだ‼)

美桜はなんとなくエミリアの元へと

帰りたがるレイモンドの心が

美桜から離れた事を薄々感じて

いた。


疑問、疑問、疑問だらけ

そんなエミリアが好きなら何故

メイド如きの美桜にハッキリ言わ

無いのだろう。

そんな底辺な考えすら、思い浮かば

無いほどなんでも無いの・・・か?


そんなこんなで頭を

悩ませていると

レイモンドのベッドに

ポーンと放られたスマ〇が光った。


見ては行けないのだろうが

見えてしまった。


“「早く帰って来てね❤」

携帯はロックされていなかった。

レイモンドは油断したのか?

いやいや、お付のメイドは王太子の

スマ〇などみたら処刑ものだろう。


美桜はレイモンドのお手つきだ。

結婚まで申し込まれている。

いわば婚約者‼

見る権利は充分にある。

自分を正当化しグイとスマ〇を掴み

ライ〇を開けば見たバレするから


アルバムを開いた。

ガ━Σ(ll゚ω゚(ll゚д゚ll)゚∀゚ll)━ン!!!

見なきゃ良かった・・・か?(笑)


どっかのカフェでお忍びでデートか

丸々メガネで黒のシャッ

エミリアも同じメガネのサングラス

ひとつのパフェをシエア😎😎💕


しかも2人で旅行?

北にあるムラアーナとは違う

南国にあるヤシの実のジュース

がテーブルに並んでいる・・・し‼


“楽しそう。“


一番ショックだったのは

彼のスマ〇のストラップが☀と🌙*゚

ではなく黒猫に変わっていた。


いつか見たレイモンドのピアスも

黒猫だった。


ワインカラーのスマ〇に黒猫は

良く似合っていた。


“ヤバイ、負けたかも‼“

レイモンドの気持ちは彼女に

本気だ‼完璧に負けた。


シャワーから出て来た

レイモンドに着替えを渡す。


美桜のお気に入りの

紺色の上下のレイモンドの

スーツ姿をもう一度

見たかった。

そして思い出して欲しかった。


思い切って


「キ、キス、キスして‼」

そう言ってみた。

シカトされるのを覚悟したが

彼はベッドのランプに気が付いて

クスッと笑った後

サッサーと出て行った。


「シカト、?一言もねーのかよ。

ってか聞こえて無いカンジ・・」

久しぶりに会ったにも関わらず

奴はサッサとムラアーナへと

帰って行った。


ガ━l||l(0Δ0)l||l━ン

あの夜は何だったん?

あ、遊ばれたのか?

(×_×)・・・ヤラレタ

レイモンドは、

からかってたのか?

あんな事、日常茶飯事・・・

って普通なのか?


アハハハマジ

だまされたーぁ‼

本気になった自分がアホ過ぎる。


・・・😢💔


全く音信不通になってしまった。

初めは毎日来ていたライ〇もピタリ

と止まったままだ。

とは逆に、日に日にエミリアとの

親密さを週刊誌

は取り上げていた。


「😩💨このまま待っなんて

明治時代の嫁じゃあるまいし

どー見てもお妾さん、にも値しない。」


マヤさんとの約束の3ヶ月を

とうに過ぎた状態だったので

城を出る決心をした。


チャールズさんとアリアさんに

「無理でした。」

と謝った。


二人は残念そうに、

「エミリアとの婚約が内定

しました。」

と辛そうな顔をして呟いた。


「私達はまた、貴方を諦めた

訳ではありません。

必ず又お会いいたしましょう。

何千年、何万年でもお待ち

いたしましょう。

美桜様。」

二人は石畳の上で、騎士でも

送り出すように立膝を付き頭を下げた。


メイド仲間には縁談が決まった

と報告をした。

サンドラは思いっきり泣いていた。

先越された悔しさと

別れの寂しさで泣き顔が

オバケ見たくマスカラは流れ

頬紅はメチャメチャに

なって口紅と合体‼

ちょっと😱💥かった。


レイモンドには最後のメッセージ

を送った。


「レイモンド殿下

エミリア姫との御婚約おめでとう

御座います。


心より御祝い申し上げます

さて私美桜は殿下の御婚約に

至り城を出る事にいたしました。


父オムリーは縛り首は、無しと

王様が命令を出されたので

殿下の意思は無効です。

御幸せに‼」


スマ〇の袋も箱も大事にとってある

レイモンドから貰ったスマ〇

だから、返さないと、

レイモンドとの

連絡用だからキズもなく

綺麗なままだ。

ストラップを外そうとしたが

ハズレない。


レイモンドは故意に外し

たんだろう。

😩💨

レイモンドの部屋の身支度用の

鏡の前に置いた。


城の門を抜けると解放感が

半端無かった。

交差点に立っとグルーリと首を

回す。


オトコオトコオトコだらけじゃーん。

男はい━━━━━━━━っぱい

いるぞ━━━━━━━━オー‼

バンザーィヒャッホー


マヤさん達には暫く旅に出ます

と伝えた。

さぁ旅に出るぞー




🚢仕事も順調に進み出した。

設計図はほぼ出来上がった。

豪華客船が世界を回れば、雇用も

増えて街も潤う。


色々な商人が出入りして、

珍しい品も流通しはじめる。


最近美桜との連絡もしていなかった。

毎日、おはよう☀

なにたべた?

今日は何した?

の繰り返し。

ライ〇もパラパラパラパラと

見ればくだらない!


この間帰った時も必死そうだった

けど俺も忙しかったし暇

じゃないし・・・


しかもエミリアとの方が

安心する。

少し罪悪感もあったし

ライ〇なんて何を返す?


ソファに横になりライ〇を開く

ん?・・・おかしいな、ずっと

音沙汰・・・ナシ・・・か?


メール?メールが入ってる?

何だ?

レイモンドはメールを開いてみた。


“御婚約?は?

俺が婚約?“


美桜のいやがらせか?

城をでるってなに?


は?


誰がゆるした?

ガバッと身をお越し血が逆流


美桜に慌てて電話をする。

出ない・・・

なんで出ない・・・

俺が電話してるのに?


嫌がらせか?

電話の前で笑っているのか?


マークに電話して聞いて見た。


「美桜でしたら10日前に、はい。

城下がりさせました。

はい、もう城務めの期限を過ぎて

いましたので、勿論本人の希望です。


あ、さぁオムリー様の所には

帰らず、旅に出ると言ってましたよ。

レイモンドは電話を切った。


何かから目を覚ましたように

レイモンドは慌てふためいて

ヴァルタンを呼び出し丸投げして

城へと飛んで帰った。


ザブラルグルブ国の

レイモンドの自室は、美桜の気配

の消えた静かな部屋になっていた。


俺の机の上には何冊もの

週刊誌が置いてあった。


エミリアとの報道ばかり載って

いた。

美桜はコレを読んだのか?


エミリアとの旅行から

あの日映画館で別れた後の

一部始終が載っていた。


俺はこの報道を知らなかった。

あの日トンボ返りをしたのは

ホントにトラブルだった。


ホテルで急いでミーティング

したんだ。


俺が帰って来た時のエミリアの

(´▽`)ホッとした顔を、

可愛らしいと思ったのは仕方ない

だろう。

しかし美桜の手帳には

俺とエミリアの記事が貼り付け

られて言い逃れ出来ない程

事細かに書き記されている。


ふと見ると身支度用の鏡の前に

ピンクの箱に入ったスマ〇が

買った時のままに寝かされていた。


スマ〇の月々の料金が茶封筒の

中に入れてあった。

御祝いと書かれたカラフルな

封筒には小さな箱に入った

シルバーの☀をかたどった

ネクタイピンが入っていた。


美桜のライ〇を開けてみる。

会いたいな❤

寂しくなったかも

俺は何も返さなかった。

この半年・・・


反対にエミリアとは毎日会って

毎日連絡とりあっていた。

最初の一枚の美桜の写真も消えて

いる。


美桜の携帯を握り締めると

ストラップが揺れた。


あ‼ エミリアがくれた黒猫の

ストラップと変えたんだっけ?

確か忍びで行った飲み屋で・・・


アレ?美桜のくれたストラップは?

どこに置いた・・・


考えれば美桜との婚姻を許して

貰うために企画した仕事のハズ

なのに?


反対に美桜を無くしてしまった?

俺が誰を愛してるのか?

無くさないと分からない程

どうかしていたのか?


ポッカリと空いた心の穴は

埋まる事無く、後悔だらけで

やる気も、元気も、力さえ

出なくなりスッカリ部屋に

閉じこもってしまった。


美桜の毎日のライ〇にスッカリ

安心してウザとも思っていた。

誤解されても仕方ない。

エミリアとはそう言う仲に

なっていなかったのが不思議だ。


向こうが皇妃と言う立場だから

手を出せなかっただけかもしれない

エミリアはグイグイ迫って来て

いたし・・・


自分のバカさと美桜が誰かの

嫁になる事を思うと気が狂いそうに

くるしい。


城を飛び立った鳥は何処まで飛んで

行ったのか?


レイモンドは部屋に誰も入れる

事なく酒をのみ1人暴れ寝るを

繰り返していた。


エミリアとの縁談は水面下で

進んで行った。

その事もレイモンド自体を

蝕んでいた。


「こんな時こそ急ぎましょう。」

エミリアとの婚姻の約束は

アレンが仕切っていた。


王も妃も従うように

レイモンド抜きで話は

トントン拍子に進んで行った。



レイモンドは夢を見た・・・


「シャロンまてシャロン‼」

霧の中からシャロンは

寂しそうに笑い


「ケイン、結婚おめでとう。

私妾は嫌‼

私はあなたの所へは・・・

行けないわ。」


「シャロン誓うよ

僕の妻は君だよ‼」

俺はサバイバルナイフを取り出し

自分を刺した。

シャロンへの愛を誓うために


ぎゃャゃャャ

シャロンの叫び声でハッとして

目を覚ます。


シャロン、シャロンは美桜?

幼い時から見続けた夢

顔はよく分からなかったが

あれは美桜だ‼


俺は病院にいた。

何時の間にかエミリアもいた。

気が着くと季節は夏を迎えていた。







美桜は、ザブラルグルブを出てから

既に1ヶ月経過した。

今美桜はマスカリッチ国にいる。

別名果物王国と呼ばれている。

日本で言えば山梨県か?


ふらりと降りたった美桜の目に

飛び込んで来たのは

プックラ丸い真っ赤なサクランボ

がビッシリと木に実っていた。


随分長い間列車に揺られ

着いた場所がこの国だった。

随分と暖かい気候のせいか着ていた

上着も荷物になるくらい暖かい。

日本で言えば5月中頃。


美桜は美味しそうなサクランボ

の木の下でこのサクランボ園の

オーナーが来るのを待った。


1時間くらい爽やかな風に

吹かれてウトウトし始めた頃

向こうからアップバングショート

のグリーンブラウンの髪色の

青年が歩いてきた。


高身長で眉はキレ上がり

ヤンキー風だが目はキリリとして

口元も上がったかなりのイケメン

首にかけたタオルが

ヤンキー風だけどヤンキーじゃない

感を感じさせる。


彼は、美桜がビビってるのを

感じたのか

スッと見ぬ振りをして通り過ぎた。


グルグルギューッ

グルグル グルグルーッ


美桜はお腹を抑え

“🍒

サクランボは残念だけど

諦めよう。


キュルキュル言うお腹を撫でながら

立ち上がり花柄のワンピースを

パンパンパンパンとはたいた。

リクルートバックを引きずりながら

👒を押さえながら歩きだした。


風に吹かれながらフンワリとした

長い髪がゆれる。


「あ〜気持ちいい風だなぁー」

落ちていた🍒を見てゴクリ


サクランボの木を振り返ると

彼も美桜を見っめていた。


君ー、サクランボたべたいの?

彼は大きな声をかけながら近づい

て来た。


「いえ、大丈夫です。

休ませて、いただいただけです。

不快に思われたのならすみません。」

ペコリと頭を下げた。

然し又


お腹の中のペットがギュルギュル

鳴き出した。

(ヤバイヤツや‼)


あー💦彼はもうワロてるやん。

くるりと回転して早足で歩く‼

駅はスグそこ‼


コンパスの長い彼は直ぐ追いついて


「ゴメン、ゴメン失礼だったね💦

あんまり可愛いからつい💦」



「つい?」


「見とれたんだ‼」

(あ〜ナンパか?チャラ男決定‼)


何処迄行くの?車でおくるよ。」


「ヾノ≧ᴥ≦)イエイエ!、見ず知らずの

お方に、そこ迄して頂か無くて

結構です。

こんな事、しよつ中なんで大丈夫

です。」


断り続けていると‼


「アレ殿下?

またまたお忍びですかい?

又、女に見つかると大変😰・・・?


あ💦もう見つかったんですかい?」

彼は美桜を見て😩💨とため息を

ついた。


「ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)あはは、違うよ

俺が捕まえそうなのに

なんだかんだ逃げられそうなんだ。」


トラクターに乗ったカールオジサン

みたいな中年の男性は

「≧(´▽`)≦アハハハ

身持ちの固いと評判の殿下なんで

安心しなさい。


真面目で誠実なんだ殿下は

ワシらとも付き合って下さる

ええお人ですよ。」


「何処いきなさる?」


「えっ・・・と?」


「もう電車もバスもないんだし

他所の国から来たのかい。

観光かい?」



「ああ、はい…」


「調べて来なさらんかったのかい。

この国は、侵入者を防ぐ為

5時以降は道も電車もせき止める

んですよ。

だからさっきの電車が最終‼」


「そうなんですね。

じゃあ野宿か‼」

ボソッと呟いた美桜の言葉に

殿下と呼ばれる男は目を剥いた。


「女の子がこの格好で・・・

野宿?」


以外そうな顔をして美桜は

「え?なんか変ですか?

よくやってましたから大丈夫です。」

美桜はバックを引きながら又

歩き出した。



「テリー悪いけどウチの別荘迄

のせてくれないか?

彼女も一緒に‼」


「え?車乗ってきたんでしょ。

さっき送るとか言ってましたよね。」


「あ、いや勘違い‼」


「私、野宿すきなんです。

原点に帰るには野宿がいちばん。」

グーギュルギュルギュルグー


(≧ε≦● )プッ

≧(●´∀`●)≦アハハハ


「お嬢さん

じゃあウチにいらっしゃい。

嫁と2人暮しで寂しいもんだがぁー

何故か分からないが美桜は

心底ホッとしていた。



「お世話になります。」


「じ、じゃぁ俺も行く‼」


‎( ⊙⊙)!!「へっ‼マジでですかい?」

テリーはビックリして彼を見た。


「殿下さん。

車ありますよね。」


「あ💦帰っていいぞ‼」

殿下は携帯を取り出して美桜を

見ながら誰かに電話していた。


「ほら、車帰ってしまった」

ヤレヤレ

カールおじさんみたいなオジサンは、

帽子を取って丸い頭をグルグルと、

なでた。






















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