レイモンドの探し人‼
「ああ〜、
ノンビリするのも必要だな‼」
レイモンドは馬車から
顔を出して風に乗って
刈り取られたばかりの若草の
香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
フーツ
ロベルトもヴアルタンも
癖なのか町の様子や、農作物の
育ちの様子を書き込んでいる。
ふう
「気持ちいいなぁ・・・
気持ち良すぎて、フアアアァ
あくびが止まらない。
ア〜フアアアァ
ガキ━━━━━ン
ブヒヒヒヒーン ガツン‼
馬の嘶きと共に、急ブレーキがかかる。
何事だ‼
ロベルトとヴアルタンはレイモンド後ろに羽根飛ばしレイモンドの盾になり、剣を身構えた。
タタタタタ 騎士団長のチャールズが
馬車の前で片膝をつき
「村娘が馬車の前を横切って
ございます。」
「何‼ 無礼者」
ヴアルタンは声をあらげた。
「未だ、うら若き娘
御容赦下さいませ!」
「まあ、いい進め‼」
レイモンドはあまり気にしなくて
いいそんな感じでいた。
「それから、殿下、申し訳ありません が 殿下のお気に入りのカフェは
本日休業になっております。」
「なんと‼
一年中、休み無しのカフェがか?」
「仕方無い‼」
ロベルトが小さい声で言った。
「何年ぶりかの休みだろう。
又三人で忍びで来よう。」
ヴアルタンも残念そうに言った。
外では御者が娘に説教をしていた。
「娘‼ このムギと王冠の旗が
見えなかったのか?
横切るとは何事だ・・・
お忍びだから許されたが拘束される
レベルだぞ‼」
「ごめんなさい。
でもこんな狭い道通らなくても
ちゃんと馬車道もあるじゃん。
大通りには車もあるし中世じゃあるまいし・・・ここは農道ですよ。」
「ん?中世?何じゃそりゃ」
「あああ、そだそだ
世界が違ってたっけ、つまり
昔じゃないって事‼」
タタタタタ
騎士団長が娘に近ずいて
王族御用達の馬車だ‼
娘気をつけなさい‼
「チッ、は〜い。
ソッチも気をつけろよ‼“
キャーアアアアァあたた‼
危ないっ‼
坂道で止まった為リヤカーが後ろへ
転がろうとした。
引力の法則はここでも通用するらしい。
「団長ご無事ですか?〜」
数人の騎馬隊が駆け寄り、支えている団長に声をかける。
「娘、怪我はないか?
リヤカーを持つ手がガクッとなり
リヤカーで、デコちんをガンと
美桜は、打ってしまった。
ポコンと赤いコブができた💥イタイ!!!
「オイオイ‼ 大丈夫か?」
突然背の高い甲冑を着た団長と
呼ばれた男が娘のリヤカーを
手で抑える。
リヤカーの荷台には夏野菜が
ドッサリと積まれていた。
夏野菜と言っても秋の菜でもある。
🎃、🥕、🍆、🌽🌽🌽、🍇、🥒
あと大根、かなりの重量。
団長は耳元で
「この馬車に、レイモンド殿下が
乗っておられる、よろしいですか、
言葉使いには、充分 お気をつけ
くださいませ。」
と囁くように言った。
エッ‼
口調が優しく丁寧になった騎士団長
に美桜は目を丸くして見上げた!
「重ねて申しあげます。
レイモンド様が乗っておられます。」
Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ!!レイモンドの馬車
ヤバ‼ 美桜は慌てて下を向き目ギリギリ迄、頭に巻いたスカーフを下げ
細目にした。髪を寄せてシャープな
顔立ちに見せた。
細目に風が吹くと目の粘膜が
痛くなり赤くなった。
ほぼ涙目状態。
いいからもう出せー‼
レイモンドはイライラしながら
叫び声を挙げた。
「チッ・・・ルサイ‼ 早く行け‼」
美桜の口から
イライラしていたのもあり、
目の細めも、スカーフが目にあたり
可也イタイ‼
ヴアルタンとロベルトは
顔を突き合わせ・・・ルサイってたか?
「なんか言ったか?」
レイモンドを見ても首を振る。
レイモンドが馬車から出て来た
美桜の前に立って不審な目で美桜を
上からしたまで、怪しい目で眺めて
来た。美桜は上を見てシラー
騎士団長様が美桜の頭をガツンと
握り、口パクで、挨拶、挨拶‼
『挨拶?ああ、そうか?よし‼』
えーとぉ
「殿下におかれましてはぁー
えとえと
ご機嫌さまです?あれ?
ああ、そだそだ
ご機嫌う、う?麗しくダッケ?」
チラと団長を見る。
騎士団長は目を手で押え꜆꜄ ꜆꜄꜆アチャー
「ああ、そうだ
ご視察いたみいります。
ダッケチラッ」
騎士団長様は小さくウンウン
エプロンの裾を掴み足を一歩引き
美桜は、頭を下げた。
(血が下がってくる。)ズワン
レイモンドは首を、ゆっくり傾け怪しんでいる様子・・・
『これ?まずかったっけ?じゃあ
若者らしく気負わずに行くか‼』
「いゃぁハハハ
いいお天気デスねー視察日和
ね、ね、エロモンド様ヘヘヘッ」
レイモンドは益々疑視して来る!
「こんちわーテヘッ」
するとアワアワと慌てふためき
だしたのは騎士団長‼
「この、こ、この娘、頭を打った
んでしょう。きっーく叱り起きます。殿下は先を急がれてくださいませ。」
御者も「殿下、参りましょう
時間も押しております。」
とレイモンドをそそくさと馬車に
乗せて、しゅつ━━━たーつ‼
と手を挙げた。
馬車が出ると騎士団長は美桜を
ジロリと睨み
「美桜様、わたくしいいましたよね。
殿下が乗っておられると💢」
美桜はウンウン頷きキイタキイタ
「私は月の乙女つまり貴方を
守るよう、神に使命を受けて
おります。💢
さっきカフェにより美桜様の事を
聞いております。
このぉ、オテンバ‼
ゴチン (+。+)イテッ!
「´⚲_⚲`い、いたーい
マヤさん の仲間なの?
早く言ってよーぉ‼」
「そうです。
チャールズです。
お話は後で、さっきのエロモンド
発言で頭のいい、3人が
気付かぬはずは、ありません。
とりあえず直ぐお帰りくださいませ。
いいですか?
でないと私が美桜様を捕まえねば
なりません。」
と言ってゴツイ背の高い鼻筋の
通った堀の深いイケメンは
馬の尻を叩くと颯爽と馬車の後を
追った。
『今捕まれば妾男にされるヤバ‼』
美桜はオケツをおさえた。
美桜は近くの畑に潜り青々と茂った
トウモロコシ畑に、リヤカーを隠し
自分は麦畑に身をかくした。
まだ柔らかい麦の穂は青々として
美桜のバンダナの緑とマッチして
保護色になっている。
丸でカメレオン
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます