美桜とクロード

美桜はこの生活を楽しんだ。

町中育ちの美桜にとって、

雄大な自然に美しい町、

街の木の中には果物の木が所構わず

立っている。


木ばかりではなく食料となる野菜も

自生している。


戦が起きた時の為飢える者が

出ない様に、この国の王太子が

令を出し速球対応したのだそうだ。


そんな事にも感心しつっ

天真爛漫な美桜は、

地域の人にも愛されていた。



ある日

帰りが遅いと心配したロザリーが

美桜を探しに出ると農家を手伝っていたり、孤児院の子供と

遊んでいたり

年寄りの話相手になっていたり、

夫婦喧嘩の仲裁をしていたりと

屋敷に出入りの業者とも仲良く

なっていた。


ある日のこと


「美桜‼ーー」

美桜は «バッ» と振り返り

駆け出した。


ワインを配達に来たロバートが両手

を広げて叫んでいた。


⊙д⊙!!

偶然出くわしたクロードは目を白黒

させた。


美桜は酒を飲まないが

ボブとロザリー、ナタリーは

かなりの酒豪

しかし跡取りのワインメーカーの

ロバートが自ら配達は・・・

おかしいだろう。?


そしてクロードが見たものは

ロバートの美桜を抱えてのグルグル

ポンポーーンを3回

\=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/まじか﹏w



美桜は背のたっかーいロバートが

大のお気に入りだった。

勿論友人として‼


背が高いと凄くグルグルして

気持ちいい、ロバートも

ニコニコしている。


見る人が見れば2人は恋人の様に見える。美桜も満更では無い様に見える。

ゴゴゴゴゴゴォ

クロードは、まるで恋人が浮気したような嫉妬にかられていた。


ロバートが美桜の頬に

軽くキスをして


「またな美桜‼」


そう言って頭ナデナデして帰っ行く

後ろ姿に


「またね〜ロバート。」


と、一声叫ぶとロバートは

軽く手を振り車をだした。



上機嫌な美桜はスキップをしながら

ピョンピピピピョンピピピピョンピピピ

(美桜はスキップが跳べない事実)

誰も居ないから気が緩んだのか

跳べないスキップを御機嫌でルンルン?


しかしそんな変な飛び方にも

気を緩めないクロードが美桜の腕を

急にひいた。


《‼


急に引っ張られ美桜はヒッ‼



嫉妬に震えて、人相の変わった

クロードに殺気がみなぎっていた。



「美桜‼ ロバートに惚れてるのか?」

(爆💢💥)


「え、エエーッと、友達だょー

なんでそうなるの?やだなぁ」


ゴチン ☆ϖ☆⌒イテツ

「💢なら‼思わせ振りな

態度をとる ナ‼」


美桜を芝生の上に正座させて

「いいか‼💢

男と言うのは勘違いするもんだ‼

お前の態度は・・・」


不思議そうな美桜のクルリとした

目を見ると、

愛しさが込み上げてきて

説教が続か無い。


「美桜、何人ハグ仲間がいる?💢」


気を取り直して聞いてみる美桜は

右手を広げた 。


「は? 呆れた奴‼5人か?

嘘つけ‼調べれば

分かる事 だぞ‼ 正直に言え💢」


ブンブンと首を振りそろりと左手を

又出して来た。


ゴチン イッターイ。∵゚。

クロードは怒りサッサと帰って

行った。

それを眺めていたロザリーが、


「ヤレヤレ‼

殿下も心配されているんだよ。」



イテイテと頭を撫でている美桜に

言った。


「だってぇ、ザブラルグルブで

ハグは挨拶だょー💦

街に出るとみんなやってるっし﹏

W痛い﹏。」


「だけかい?」

ロザリーは意地悪な目をして

聞いてくる。


「だってぇ!あれ好きなんだもん。

グルグルポンポーーン」


「ぷぷぷ!子供かい?」




最近頻繁にやって来るクロードに

ナタリーは頭を痛めていた。


「私を心配してくれるのは、有り難い けれど、SPもいるし、

美桜、ボブ ロザリーもいるのよ。


政治に力を入れなさい。皇太子

としての仕事を疎かにしては民に

申し訳ないわ。」


とやんわりと言い聞かせた。


と言うのもクロードにはほぼ

内定した許婚がいたからだ。


始めは、クロードも乗り気では無く

最近前向きに考え始めていた矢先だった。しかし美桜が家に来た頃から又

のらりくらりと交わすようになっていた。


クロードが結婚し、

晴れて世継となれば

后としての役目も終わる。


晴れてザブラルグルブの民に戻れ

この地の住民として静かに過ごせる、そう思っていた。


しかしクロードは、

若い娘のいるこの家に頻繁に

姿を見せる。


頻度が益々増えていけば、

美桜の将来、クロードの将来

良い事は無いと心配していた。


クロードは暫く考えていたが


「分かりました。

何か有れば直ぐ連絡ください。」


そう言うとクロードは心残りありげな雰囲気を醸し出しミシェル邸を後にした。


コーヒを飲みながらナタリーは


「これでいい」


と呟いたクロードの気持ちはあからさまに分かっていた。

ロザリーの「ハア﹏」

と言う溜息がきこえてきた。


「奥様、そろそろ苺の収穫も終わり

とハウスから連絡が来ました。」


ボブが首にかけたタオルで顔をフキフキしながら入って来て言った。

ボブの後ろから


暗い雰囲気も飛び散らすような

美桜の明るい声が上がる。



「そう。じゃあ残った苺を摘みに

いきましょう。

村中に触れを出して


苺の収穫は終わったからハウスの

苺で家庭で食べる1年分のジャムを

作りなさい ってね。」


ミシェル邸の苺農園は広くデカく

商品にならない苺が沢山あった。

子供や、老人、家庭の主婦には楽しみな行事となっていた。


ボブがシュルシュルシュルと狼煙を

上げると、1時間くらいで沢山の人が

籠を持って集まって来た。


美桜も初めての収穫とあって

楽しみで仕方が無い。


ボブはナタリーに美桜は食いしん坊

ですからね。

食べてばかりで大丈夫ですかね﹏

動けないくらいたべますよ。

`,、ハッハッハッハハッハッハッハ!!'`,、'`,、'`,、


「ボブが声をあげて笑うなんて

初めて聞いたわ。」


ボブは頭を掻きながら

「私も久しぶりに笑いましたよ。」

そう照れ臭そうに呟いた。

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