ネコミミ少女の回復魔法

@itameshinn0215

第1話

「ちょっと菊地さん!!頼んでおいたものはまだかしら!?」


上司の甲高い声が、頭に響く。頭が痛くなるが手は止めない。


「ただ今すぐに!」


印刷ボタンをクリックする。出てきた書類を上司の所へと持っていく。


「出来ました。確認お願いします。」


書類を引ったくると


「遅い!私が言う前に持ってくる!常識でしょ?!」


「すみませんでした。」


頭を下げて謝るが上司の怒りは治まらない。


「人に謝るときは、すみませんじゃ無くて、申し訳ありませんでしたでしょ?貴女言葉もまともに使えないのかしら?!」


早く次の仕事に取り掛かりたいのに上司のお説教が終わらない。彼氏にでもフラれたのだろうか?


上司の甲高い声のせいか頭痛がひどくなってきている。立っていることすら辛く、左胸が締め付けられるように痛む。


倒れると思ったときには、上司の高そうな靴が見えた。有名ブランドのパンプス。私なんか大型スーパーの4千円のパンプスなのにとぽーっとした頭で考える。


「何ふざけてるの!!」


遠くの方で上司が叫んでいた。

別部署の部長が私を抱き起こしてくれたようで、頬を叩きながら口を動かしているが、何を言っているのか分からない。


最後に家のベットで寝たのいつだろう?寝不足だと音も聞き取れなくなるのかな?

同僚が部長さんの向こうから私を心配したような顔で見下ろしている。


体を動かそうにも指一本上手く動かせない。まぶたもだんだん落ちてくる。目が覚めたら、また怒られるのかと思うと心配している同僚には悪いと思うが、目を覚ましたくな…

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