禁術使いとして目覚めて国を追われる事になったら、心強い召喚獣が守ってくれました

仲仁へび(旧:離久)

01 禁忌



 今まで過ごしていた当たり前の日常が消えてなくなるのは一瞬だった。


 名家のお嬢様として育てられ、何不自由なく生きて来た私の将来は、約束された幸福に満ちているはずだった。


 多くの人に囲まれ、愛され、親しまれ、足りないものなどないというほどだった。


 いつだって私の周りには人であふれていたというのに。


 けれど、観光の途中で立ち寄った遺跡で、立ち入り禁止区域に入ってしまった事で、そんな未来は粉々に砕け散ったのだった。


 私は今、たった一人きりだ。


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