第21話 ボスより雑魚のがめんどくさい

 扉を閉め耳栓を外した俺は2人も耳栓を外したのを確認した後、ボス戦に入れそうだと伝えた。ここからはボス戦が終わって次の階層へ行くまでお互い会話が聞こえないので念入りに話し合っておく。


 まずボスがわいたら2人が倒す。声が聞こえないのでお互い慎重に動くように念を押しておいた。その後タッチパネルが出たら宝回収してさっさと7階層へ移動。もしタッチパネルが出なかったら物理攻撃が聞かない魔物を倒さなくてはいけないだろう。どの魔法で倒せるかわからないが…今この3人の中で魔法を使えるのは俺だけなので、一通り試すつもりだ。全く効かないということはないと思うが何分火力が足りないかもなので、少し時間がかかるかもしれない。で、こいつを倒せれば耳栓を外して大丈夫なのでそこからは会話で行動を話すことが出来るな。


「じゃあ開けるぞ~」


 2人に声をかけた後俺は耳栓を装着。同じく2人が耳栓を付けるのを目視した後扉を開けることにした。少しだけ重たい音を響かせながら中へ入るとやはりあの魔物がなにやら声をあげていた。もちろん聞こえてはいない。近づいてくる様子もないので放置して部屋の中央を眺める。魔方陣が光り出しそこからボスが出てくる。


 少し離れた場所から俺はボスと状態異常をかけ続けている魔物が両方視界に入るようにし、眺めていた。ホルンさんと結奈さんが走り回りボスと戦闘中だ。ホルンさんの糸は結奈さんにダメージを与えないのでもう好き放題に切り込んでいる。はっきり言ってボスがかわいそうになってくるくらいだ。一方結奈さんは少し苦戦気味だな。結奈さんの刀は気を付けないとホルンさんを傷付けてしまうからだろう。隙を伺いつつ一撃一撃を慎重に確実に打ち込んでいるな。


「…お」


 ボスにお態勢が崩れてきた。やっぱり2人は強くて俺達の時より早く終わりそうだ…とか思ってたところでボスの姿が消えていく。どうやら終わったみたいだ。で…もう一体は、健在だ。ただ少し様子がおかしいかもしれん。歌っているようには見えるのだがそれだけじゃなくじっとしていたのをやめ移動を始めている。耳栓を外すことが出来ればもっと違いとか判るのだろうがもし状態異常をかけようとしているのならまずい。このまま倒すしかないのだ。


「とりあえず…『ソリスト』!」


 この状態ならホルンさんと結奈さんに俺の魔法や相手の攻撃が当たることもなくなるから思いっきり色々試せるな。じゃあまずはミニメテオからかなというか攻撃魔法はこれくらいしかないんだけどね。これでどのくらいダメージを与えられるか確認しないとな。


「をっ??」


 突然どんっと背後から突き飛ばされるような感触があっておれは前方へと倒れこんだ。振り返ってみるとそこにはホルンさんが…次の瞬間そのホルンさんにたくさんの剣のようなものが降り注いでいた。

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