第210話 石鹸と塩

帰り道、市場に向かうと木の実から出来た油を探す

「御主人様この油はどうするのですか?」

レインが真剣に聞く

「ちょっと試したいだよね」

エタータリアが微笑みながら言うと乾燥した海草や大きな硬い木の実等を売っている店で買い物をして帰る


「アルセリカちょっと一緒に作って欲しいだけどよいかな?」

エタータリアが笑顔で言う

「え!御主人様!!喜んで何でも作ります」

アルセリカが嬉しそうに言うと作り方を教えるとすぐに海草と大きな木の実の殻を燃やして灰にする

「これでよいですか?」

アルセリカが真剣に言う

「これで砕いて粉にしたら、お湯に入れて煮てね」

エタータリアが笑顔で言う煮てから、冷やすと分離した灰汁を作る

「油と灰汁と小麦と少量の塩混ぜてある程度の温度でゆっくり混ぜてね」

エタータリアが真剣に言うとアルセリカが真剣に作業してくれる


「御主人様粘り始めました」

アルセリカが報告に来ると木で出来た型に流して放置する事にする

「これは何ですか?」

「石鹸だけど、上手くいくか解らないけどね」

「石鹸!!そんな高価な物を!!」

アルセリカが驚いている

「完成したら試そうね」

エタータリアが笑顔で言う


翌朝硬くなると、みんなで手を洗うのに使う

「荒れたりしないですね」

アルセリカが笑顔で言う

「手がすべすべです」

アニタが笑顔で言う

「石鹸ですね・・・本当に作ってくれるなんて」

レインが笑顔で言う

「これが石鹸・・・」

エニスが笑顔で手を見ている

「毎日使える量を作ろうね」

エタータリアが笑顔で言うとみんな笑顔で頷いている


「エター、風呂が楽しみです」

エニスが笑顔で言う

「アルセリカ、まだ材料が有るから、作るだけ作って、ルシアとルティナも手伝ってね」

「御主人様畏まりました」

アルセリカが笑顔で言う

「何故ルシアとルティナなのですか?」

レインが疑問に聞く

「清潔にすれば病気の危険も減るからね、帰ったら色々試しながら、質の良い石鹸の研究するにも薬師の実力が有れば良いからね」

エタータリアが笑顔で言うとルシアとルティナが笑顔になる

「あの・・・私も手伝いたいです」

セイラが真剣に言う

「セイラ頼んだよ、本当はエニスの側で相談に乗って欲しいけど・・・今は大丈夫だから頼んだよ」

「え?奥様の相談に?私なんかがですか!!」

セイラが驚く

「妊婦の扱いにも教会でなれているからね、セイラが適任だよ、エニスが懐妊してからなるべく近くで、危なくないように気を遣ってくれているからね」

エタータリアが微笑んでいる

「え!知っていたのですか!!」

セイラが驚く

「ジーナは子供の護衛と御姉さんだからね、これからも頼んだよ」

エタータリアが微笑みながら言うとセイラは涙目で頷く

「エターどう言う事?」

エニスが真剣に言うとレインが微笑みながら説明をするとエニスも笑顔でセイラを見る


商会に向かうと人の列が出来ている

「御主人様順調ですが、昨日より人の列は短くなってきています」

ステラが笑顔で報告する

「ここからだね、今日には公爵側の塩が届くから公爵側の嫌がらせが有るかもしれないからね」

エタータリアが真剣に言う

「はい!警戒を強めておきます」

ステラが笑顔で言う

「アーガルド商会の支部に行ってくるからね」

エタータリアが笑顔で言うとアーガルド商会の支部に向かう


「御主人様良くおいでくださいました。来ないと思い心配してました」

支部長が嬉しそうに言う

「安心して任せられるからね」

エタータリアが微笑みながら言うとクリスから今後の方針を伝える

「知己は得てありますので、すぐに交渉に行ってきます」

支部長が笑顔で言うとセリカが塩を倉庫に置いていくとエタータリア達は支部の書類を見ていく


支部長が笑顔で戻ってくると王国兵士と侍女がやってくる

「御主人様の予想通り、小分けの塩だと足りないとの事でした。」

支部長が笑顔で言うと倉庫から馬車に塩を乗せている

「国としたら、商店で買う訳にいかないからね」

エタータリアが微笑みながら言う

「エタータリア殿交渉に行く前に、我々の事も気にかけて頂きありがとうございます」

王国兵士が笑顔で言う

「国王陛下から何か有れば、エタータリア殿に確認をするように通達が有りましたが、まさかこんなに塩を譲って貰えるなんて、本当にありがとうございます」

侍女が笑顔で言う

「普通の民衆にはプラトン商会で販売、大量に必要な所には、アーガルド商会から販売の方が何か有った時、有効ですからね、民の分を奪われたと言われないですから」

エタータリアが微笑みながら言う

「他の町は大丈夫ですか?」

王国兵士が少し心配そうに言う

「クエールバスコ本店で売っています、それと各支部にも輸送してあります。後は行商人が運んでくれますので、大丈夫です」

エタータリアが笑顔で言う

「塩不足でも安定していると言うことですね、安心できました」

王国兵士が笑顔で言うと帰っていく


「御主人様、公爵側の定期商隊が到着したと連絡がありました」

セリカが笑顔で報告に来る

「商業ギルドマスターはどうするかな?」

エタータリアが考えながら呟く

「損をしたくないから、王都中の商会が買い取りませんね」

レインが微笑みながら言う

「公爵側は、どのぐらい耐えられるか、楽しみにしておこう」

エタータリアが笑顔で言うとみんな微笑んでいる


「御主人様、商業ギルドマスターが来ました」

セリカが笑顔で言うと応接室に向かう

「エタータリア殿、塩の値段をあげて貰えませんか?」

商業ギルドマスターが真剣に言う

「断ります」

エタータリアが素っ気なく言う

「公爵が怒っています、何とかなりませんか?」

「国王陛下に、まず許可を取ってきてください」

エタータリアが笑顔で言う

「え?国王陛下に?何故!」

「国王陛下より、塩を何とかして欲しいと相談とこの値段で売る事も伝えてあります。ここは王都ですので、国王陛下に相談して吊り上げて良いか確認してください」

エタータリアが笑顔で言う

「無理だ・・・どうしたら」

「買い取り義務はないのでしょ?買わなければ良いですね」

「それは・・・そうなのですが・・・今後の付き合いが・・・」

「なら頑張ってくださいね、国王陛下対港の公爵の争いに興味はないので、商業ギルドは港の公爵を優遇していると、国王陛下が思うだけですからね」

エタータリアが笑顔で言うと、商業ギルドマスターは、黙り込みうつ向いてしまう

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