第59話 ゲルトバナ・エレト

翌朝出発の準備をして

「フレナーク大変かも知れないが頼んだぞ」

「はい!畏まりました、行商人と話をする時は布を巻く事にします」

フレナークは笑顔で言う

「エターナリア殿クエールバスコのギルド報告と商会への手紙は必ず届けます」

冒険者ギルド職員が言う

「頼みます後は薬師次第です」

エターナリアが言うとみんなが頷いている

「あ!遅くなりましたサリーナですよろしくお願いします」

薬師の娘がやってきて言う

「よろしくサリーナさん」

エターナリアがそう言うとみんなが挨拶している

「出発するよ!」

「はい!!!」

馬車に乗り出発すると門を出て、北へ向かう


5日後中継の町に到着する

「何の様でこの町に来た?」

「ゲルトバナ・エントの町に向かう途中です」

「馬車の中は交易品か?」

「そうです」

「何処から来た?」

「クレイト・ハレストの町を経由しましたが商会はクエールバスコの町です」

「通って良し」

門番はそう言って通してくれる

門を通り宿屋でレインとクリスが交渉に向かいエターナリアは後ろで見ている

「あっ御主人様部屋は確保しました」

「良い交渉だったよ」

エターナリアが微笑みながら言うと

「あ!ありがとうございます」

レインは微笑んで答えるとクリスも嬉しそうにしている

「商隊は休憩させて少し町中を散歩しようか?」

「はい!」

みんなで町中を散歩していると薬屋を見つけて中に入る

「この材料はありますか?」

「申し訳ありませんがこの材料は有りません」

「やっぱり無いですよね」

「この薬はありますか?」

「え?この薬はありますが・・・」

「ん?どうかしましたか?」

「えーこの薬が必要なのですか?」

「この薬が疫病用だと知っています」

エターナリアが言うと

「試されたのですね」

薬屋の店員は苦笑いしている

「買いに来られた方はいませんでしたか?」

「いえ、いません」

「なら早く用意をしてください、既にクレイト・ハレストの西側で発生しています」

「え?・・・・・本当ですか!!」

「本当です・・・」

サリーナが言う

「そんな!大変な事ですよ!」

店員が驚き声をあげると奥から男が出てきた

「どうした?声をあげるなんて」

「この薬が必要な疫病が発生したそうです」

「まさか・・・本当なら大変だぞ!!何処でだ!」

「クレイト・ハレストの西側って言っています」

「はァーー!大変な事だぞ!下手したらこの町も来るぞ!!すぐに注意しないと!」

店主はこっちを見て

「お前達はクレイト・ハレストから来たのか?」

「そうです、念の為この薬を5日間服用はしていますが在庫が少ないので判断がつかなかった所です」

「5日間か・・・症状があるものがいなければ大丈夫だ!」

「良かったです」

「しかし薬を持っていなかったら危ないからしばらく町には近付かない方が良いぞ」

「問題はクレイト・ハレストではなく、西側の村と先の町です」

「え?西の町?何故だ」

「その町から命懸けでクレイト・ハレストの町に薬を買いに来た行商人が発症してしまっていましたので今は調査している筈です」

「まさか!大変な事だぞ!遅れればこの町が本当にヤバイぞ!」

「調査で確認しないと解りませんが材料を買い求めないと大変な事になりますからね」

「それで北にか!ヘストナベレンに向かうつもりだな!」

「そうですが注意をして貰うためにちょっと試して話をしました」

「ありがたい!すぐに体調の悪い者を通さない様に伝えて薬も出せるようにしておこう!しかしよくこの薬を持っていたな!」

「クエールバスコを出発する時にこの薬と注意書が有ったので」

「はぁーーこの字はダストルかなるほどあいつなら間違えない!」

「え?知り合いなのですか?」

「昔疫病が流行った時に一緒に仕事したからよく覚えているぞ!」

「そうだったのですね」

エターナリアが微笑むと店主は笑う


薬屋を出て町中を散歩しながら本屋と食料を補充して宿屋に戻ると門番が

「確かクレイト・ハレストから来たと言っていたな」

「はい、そうですが」

「体調の悪い者はいないか?」

「いませんがどうかしましたか?」

「念の為の確認だ!」

「解りました」

エターナリアが頭を下げると門番は帰っていく

「早いですね対応が」

レインが呟くと

「凄い・・・クレイト・ハレストだったら多分来ることは無いです」

サリーナが言うと

「これならこの町は大丈夫だね」

「この町の領主は周辺の村も守りますね」

「そうだと良いね」

エターナリア達は部屋に戻り休むことにする


翌朝出発しようとしていると

「間に合ったか!助かったぞ」

「どうかしましたか?」

「昨日の夕方、西の町からの商人が疫病の症状がありと門番が報告があがり見てきたが間違えなさそうだ!昨日聞いてなかったら危なかったぞ!」

「油断はしないでくださいね、既に入られている可能性がありますから」

「解っている!広がらないように必ず止めてやるぞ」

薬屋の店主はそう言って見送ってくれる


町を出発して、進んで10日後ゲルトバナ・エントの門が見えてくる

「何処から来た」

「クエールバスコからですが」

「何が目的で来た?」

「交易です」

門番は荷馬車の中を見て確認してから

「問題は起こすなよ、通って良し」

門番はそう言って通してくれる

町中に入り宿屋に向かいレインとクリスが交渉にいく

「御主人様部屋の確保出来ました」

「明日は商会の確認するからそれまではゆっくり休むように」

「はい!畏まりました」

「商会の確認?」

サリーナは首を傾げると

「ここの支部を買収してあるから商会として監査しに来たんだよ」

「え?支部があるのですか?」

「え?まだ話してなかったけ?」

「はい、知りませんでした」

「御主人様、何も話していないと思います」

レインが言うとみんな笑い出す

「アーガナルド商会代表をしているエターナリアだよろしく」

「あ!はいよろしくお願いします」

「クエールバスコが本店で支部が2つあるが2つとも開店休業状態でその建て直しの為にこの町に来たんだよ」

「そうだったのですね」

サリーナは笑顔になる

「この支部の担当はミリシアがやるから真剣に勉強していたんだよ」

「そうなんですね、クエールバスコはレインさんが担当ですか?」

「レインは相談役で信頼出来る人だよ」

「エニス奥様より仲が良いように見えます」

サリーナが言うと

「え?私よりも・・・・」

「エニス様暗くならないでください」

レインがエニスに声をかけると

「うっレインが完璧過ぎて反論出来ない」

エニスが涙目になってエターナリアに抱き付くとみんなが笑い出す

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