第42話虚構の仮面・2

私はその日から何年もかけて魔王を探す旅に出たのです、昨日から?そんなこと言いましたっけ、きっと聞き間違いです、これは10年も前の話ですからねやっと30歳になったばかりのころでした、今は86歳ですけどね


勇者タタラは今日も怒っています、なんでもお昼ご飯をもらっていないとか、でもそんなことで怒ってどうするのですか、私なんかみんながおやつを食べているのに貰ってないから我慢してるんですよ。

口のまわりがベタベタするので祈祷師さんが拭いてくれました、食べてないのに歯磨きだってしてますよ。

ああ愛しの姫さま

私は今から長きに渡り紙と木の板に閉じ込められた愛しの姫を救うべく冒険の旅に出るのです、昨日、老婆に変装していた方は私の姫ではなかったようです、本物の姫はこの魔法に閉じ込められているのですよ、魔法と戦う武器は紙でできた武装、紙と言っても侮るなかれ紙は神に通じ新聞は新たな力を呼び覚ますのです。

私には秘められた力がありますからね魔王であろうと呪いであろうと。

それにしても板の向こうの姫はいつも微笑んでいるのです。

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