【期間限定公開】ある日から使えるようになった転移魔法が万能で生きるのが楽しくなりました
まるせい/ファンタジア文庫
【第1話】『ある日から使えるようになった転移魔法が万能で生きるのが楽しくなりました』
プロローグ
「…………なんだこれ?」
ベッドから起き上がると、目の前には青白い光の輪が見えた。
「テレビ消し忘れたっけ?」
光の輪の中に
「えっと……明かり明かり……」
もう少しよく見ようと部屋の明かりを探して手を動かす。
「あった」
「えっ?」
スイッチに手が
青白い光の輪は消えており、目に映るのはアパートに引っ
半ば夢に
「夢……だったのか……?」
首を
第一章
「ふぁーあ」
大きな
『~~であるからして』
マイクから発せられる
「ね……
他の学生たちは思い思いに雑談をしたりゲームをしたり、はたまた雑誌を見ながらファッションの話をしている。
大学は勉強をする場所というイメージはもはや残っていないのだろう、俺も彼らにならい、適当にやり過ごしたいところではあるのだがそうはいかずにノートを取る。
通常であれば、試験間近になれば友人なりサークルの
だが、俺には親しくしている友人もいなければ、バイトに明け暮れていてサークルに入っていない
よって。頼れるのは自分だけとなり、こうして
ガヤガヤと
「どこも満席か……」
厳密にいえば空席はある。だが、
こういう場合、席は一人一席とルールで決まっているのだが、相手は陽の
「……どうするかな?」
こうしている間にもラーメンが
というのもガイダンスの際に
高校時代、女っ気の無い学生生活を送った俺には女に話し掛けるのはハードルが高かった。そうこうしている間に周囲はRINEの
おかげで俺は友人を作ることができず、入学から1ヶ月が
「……ぬるくて
しばらく食堂をウロウロしていたところ、ようやく空席を発見した。
だが、15分は経ってしまったのでラーメンは伸びきっており、口の中でブツリと切れる。
「はぁ……つまらないよな」
元々自分に自信があるタイプでもない。
「このままずっとつまらない人生なのかもなぁ……」
俺はそう
その日の晩。
バイトを終えて帰宅した俺は、
ぼんやりとテレビをつけて見ている。
今日は一日だるさが
どうしてこんなに疲れているのか。俺はなんとなく頭の
「えっ?」
きっかけはわからない。
今だと言えばそうだし、もっと前……夢の…………あの時に覚えた違和感が最初だろうか?
先程まで
「なっ、なんだこれっ?」
「使える……の……か?」
どうすれば良いのかは何となくわかる。俺はその感覚に身を任せると──
「えっ、なんだこれっ?」
俺は混乱した。周囲を
先程までボロアパートの部屋にいたはずなのだが、現在はベンチと
「…………もしかして……公園……なのか?」
その場所に見覚えがあった。ここは近所の公園だった。現在住んでいるボロアパートから徒歩で数分。大学に通う際に毎日通りかかっている公園だ。
『きゃははは、
声が聞こえたので
俺は電話で楽しそうに話しながら歩いていく女を自動販売機のかげから見送った。
「いっ、一体何が起きてるんだ?」
感覚に従って行動した結果、
「と、とにかく一度アパートに
戻りたいという
次の瞬間、何かが身体を抜けていくと──
「えっ?」
目の前に青白い光の輪が現れた。
「俺の……部屋……」
その光の輪の先には俺が大学に入ってから暮らしている部屋が映っていた。
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