第4話 『そうだ、古本屋さんにいこう!』

時間ができると

よく古本屋さんに行くんですよ。


以前は近所にも個人のお店がありましたけど

現在はぜんぶ駆逐されましたね。

某チェーン店に。


でも新品を売ってる本屋さんよりは

面白いんです。


ふつうの本屋さんは

売れ筋ばかりを入荷するわけですよ。


必要経費を売り上げから捻出しなければならないので

当然ですけどね。


そうすると個性はなくなりますよね。


一方で古本屋さんは

たとえチェーン店であっても


基本は個人の

コレクションから仕入れるわけですから、

店によって売ってる本がちがうんです。


なので

掘り出し物とか

なつかしいものとか

発見することができるプチ・ロマンがあるんです。


さらに、

意外なものが本にはさまっていたりもします。


以前

横山光輝さんの

古いマンガを買ったら千円札がはさまってました。

しかも旧札。


使うのは気が引けるので、

近所の神社にお賽銭として入れました。


あとは

星座の本に

航空会社のエントリーシートが。


時代小説には

病院のレシート。


そして

悪用禁止・ワルのたらしこみ術

とかって本には

東京拘置所の閲覧許可証が。


…いやいや。

拘置所に入ってて

そんなの読むかねぇ。


…あ。違いますよ。

ボクはたらしこむ目的で

買ったんじゃないです。


いろいろ参考にしようかな~って。

ホントです。ホント。 


…ま、そんな感じで

本に出会う以外にも

楽しみがあるんです。


ただね、

イヤな面もありますよ。

汚れとか、ニオイとかね。


なつかしくって

湘南爆走族を

買ったときは


ページをめくったところに

住所と名前が書いてありました。

しかも、赤マジックで。


うーん。

ま、仕方ないか。


そんなマイナス面を差し引いても

やっぱり

古本屋さんはワクワクするんですよ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る