第25話 『団地妻』

町はずれにある

古い団地の1階には


Aさん、

Bさん、

Cさん、

Dさん、


の4家族が住んでいた。



ある日の昼下がり


Aさんの奥さんが


Bさんの部屋のベランダで

首をつった。



悲しみも癒えない

そのひと月後、


今度は

Bさんの奥さんが


Cさんの部屋の

ベランダで首をつる。


なにかの事件なのかと

大騒ぎになった

さらにそのひと月後、


Cさんの奥さんが


Dさんの部屋の

ベランダで

首をつったのだった。



Dさん夫婦は


不幸が

どんどん迫ってくるようで怖くなり、

しばらく部屋を出ることにした。



しかし、

そのひと月後、


ふたたび

死者が出た。



団地の敷地内にある

下水で


新聞配達の女性が

溺死していたのだ。


コンクリートの

厚いふたを開け


顔だけを

突っ込んでいたという。


しかもそこは、

Dさんの部屋の

すぐ脇に位置していた。



さらに

ひと月後、


団地の横の県道で

死亡事故が起きたそうだ。


被害者はやはり

女性であった。



「これって

 なにかの

 呪いなんでしょうかね…」



Dさん夫婦は

もう2度と


団地には

戻らないという。

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